元町から時任町に移転新築の高橋病院開院
コミュニティスペースは地域との交流を重視
新病院の目玉のひとつがコミュニティスペースです。1階の道路に面した側にガラス張りでつくりました。コミュニティスペースは地域との交流を目指して市民の方に開放して、同時に入院患者さんとご家族の方も満足していただけるような企画を考えています。地域包括ケア推進室の5人の職員が担当して、具体的にはストレッチ、ヨガ、ピラティスなどの健康づくり教室。これは外部の先生や職員が講師になります。あとは介護予防教室としてフレイル予防や調理教室。また外国人の方が介護のお手伝いで来てくれますので、英会話教室の講師をしてもらうことも考えています。
コミュニティスペース内には、カフェや図書、それにキッズスペースも設けています。それと開院早々人気を集めているのがセラミックボールを使用した足湯です。診察やお見舞いなど病院に直接関わりがない方にも利用できるように開放しています。夜8時まで解放しているので、地域の担当者の方からは、お子さんがフリーになれる場所としての活用も要請されています。
巴中学校や近隣の高校、学校、大学、看護学校の生徒さんに来てもらって、ボランティアで協力をお願いして連携をとっていく。あるいは地域包括支援センター、介護サービス事業所、近隣の医療機関並びに行政の方と十分に話しあって、安心した暮らしを支えていけるような場所を提供したい。医療プラス福祉は重要なことと考えています。
スタッフが情報共有するリハビリテーション室
リビリテーションで患者さんに関わる代表的な職種はセラピストと呼ばれる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士ですが、それだけではなく看護師、ソーシャルワーカー、医師も含めいろいろな職種が病棟に直結して皆が集いやすいリハビリ室で情報を共有する。各自が単独でやっていると現場的にはムダ・ムラ・ムリ、非効率化が生じて二度手間も発生します。そこでリハ室を中央に大きく配置して、そこにみんなが集ってやろうという仕組みとなっています。
2階の南と北に回復期リハ病棟がそれぞれあって、そこにリハビリ室が直結する。移動式の電子カルテを使いそこで入力する。刻々と変化する患者さんの状態を実際のリハの現場で見ていくのは、リハビリケアに慣れていない職種には大事じゃないかなと思っています。そして今回のリハの目玉の一つはバーチャルリアリティで、専用ゴーグルをつけて仮想現実空間のなかでリハビリをしてもらうことが可能です。
ドライビングシミュレーターの狙い
ドライビングシミュレーターはホンダ社が開発したもので、道内の医療施設では当院が最新のものです。高次脳機能障害を持つ患者さんに自動車運転の再開に向けたシミュレーションをしてもらいます。特に自動車が生活手段の一つとして必須である患者さんの場合、運転できないことは生活に支障をもたらすことにつながりますので、非常に役立つツールと考えています。
退院を目指している患者さんがいらっしゃる医療機関の方たちにも利用いただけると思っていますし、すでにそのような声もいただいています。地域で共同利用することも大事じゃないかと思っています。
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