“かかりつけ医”を目指す循環器内科の専門医
みはら循環器内科 佐藤 健司 院長
二十年余の循環器内科専門医の経歴を有し総合内科専門医の資格を持つ佐藤 健司医師が開院した『みはら循環器内科』。専門の循環器内科はもとより、患者からの相談に広く応じる“かかりつけ医”でありたいと話す佐藤院長に同クリニックと診療について話を聞いた。 |
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佐藤 健司 院長
「どんな相談にもお応えできる“かかりつけ医”を目指して開業しました。どんなことでも相談してください」
昨年11月1日、『みはら循環器内科』を開院した佐藤院長は、こう語る。
佐藤院長は札幌医科大学医学部を卒業後、二十年以上にわたり循環器内科専門医として総合病院に勤務。2008年からは函館五稜郭病院循環器内科に所属し、同科の科長を務めた後、今回の開院に至った。
総合病院での循環器内科医としての業務は、心筋梗塞をはじめとする急性期疾患に対し、カテーテル治療など非常に効果的でダイナミックな治療を行うことができ、やりがいのある診療ばかりでした。それらを手放すことには大きな葛藤があったと佐藤院長は振り返ります。それでも開業を決意した理由について――
「総合病院での診療は非常に多忙で、患者さんの話をじっくり聞く時間が十分に取れないことが多々ありました。循環器疾患の治療を終えても、それだけで体調が万全になるとは限りません。私自身、経験を積み重ねる中で、そうした患者さんの存在に改めて気づくようになりました。患者さん一人ひとりの声に耳を傾け、循環器疾患以外の悩みや生活習慣についても相談を受けながら、より良い治療を提供したいという気持ちが強くなったのです」と語る。
どんなことでも相談に応じる“かかりつけ医”である一方で、循環器内科専門医としての二十年以上の経験を生かし――
「もちろん、専門分野である循環器疾患については、迅速な診断と適切な治療を提供し続けます。それも当クリニックの特徴にしたいですね」と付け加える。
循環器内科を受診すべき症状とは
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受付(左)と待合室
循環器内科を受診した方がよい症状について、佐藤院長に聞いた。
「心臓の近くの胸に、痛みや動悸、締め付けられる感じ、重く押されるような違和感がある場合は、循環器疾患や心臓疾患の可能性が高いので、ぜひ相談してほしいですね。ただ、典型的な症状が出ない方もいらっしゃいます。そういう場合、『この症状で大きな病院に行くのはためらわれる』と感じることもあるのではないでしょうか。 そのような方の相談窓口にもなりたいと思っています。
何も問題がなければ、それが一番良いわけですし、当院が診療の最初の入り口としての役割を果たせればと考えています。
どんな症状がどの疾患につながっているかは、ご自身で判断しにくいものです。『循環器の症状かどうかわからない』という理由で病院の受診をためらう方も多いでしょう。当院を受診する際に、『循環器の症状だろうか』『他の病気の症状だろうか』と迷う必要はありません。何でも相談していただき、必要があれば、連携している病院に迅速に紹介することも私の役割だと考えています」
循環器内科の診療範囲は血管病や生活習慣病も対象
循環器内科の診療は、心臓だけでなく血管にも及ぶ。
「血管病とは、血管そのものや血管内腔に異常が生じる疾患の総称です。 これは心臓や脳だけでなく、手足などの末梢血管にも起こり得ます。
たとえば、足の血管が動脈硬化を起こし、歩行時に足や腰に痛みや違和感を覚えるケースがあります。多くの方がこの症状で整形外科を受診されますが、実は血管病が原因であることも少なくありません。特に、高血圧や糖尿病をお持ちの方が歩行時に痛みを感じる場合は、『「閉塞性動脈硬化症(ASO)」や「末梢動脈疾患(PAD)」』と呼ばれる病気の可能性があります。
これらの疾患は、進行すると歩行時の痛みだけでなく、『安静時にも痛み』が現れたり、『最悪の場合は血流が途絶えてしまう』こともあります。さらに重症化すると、組織が壊死し、最終的に足を切断せざるを得ないケースもあります。
私が総合病院に勤務していた頃、こうした疾患が適切なタイミングで治療されず、取り返しのつかない深刻な状態になった患者さんを多く診てきました。もっと早く治療を受けていれば、防げたケースもあったのではないか……と感じることが多々ありました。 そうした経験から、より早い段階で適切な診断と治療を提供したいという思いが強くなったのです。
『最近、歩くと足が痛くなる』『しばらく休むと痛みが治まるが、また歩くと痛む』といった症状がある場合は、ぜひ一度ご相談いただき、必要に応じて検査を受けてほしいですね」と佐藤院長はアドバイスする。
「また、血管病の多くは高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病と深く関係しています。 こうした疾患を適切に管理することで、循環器疾患の予防や進行の抑制につながります。当院では、生活習慣病の治療や管理も含めた総合的な診療を行い、患者さんの健康を支えていきたいと考えています」と生活習慣病についても、総合的な診療で患者の健康をサポートしたいと佐藤院長は話している。
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(左から)診察室・処置室・点滴室
(取材日:2025年2月6日)