元町から時任町に移転新築の高橋病院開院
地域密着の新病院で”暮らしを支え未来に貢献”
語る人 社会医療法人 高橋病院 理事長・病院長 高橋 肇 氏
函館市時任町1番2号 TEL.0138-78-1230 https://www.takahahi-group.jp/
豊川町に開院した医院から始まり元町の旧病院まで西部地区で医療に貢献してきた社会医療法 高橋病院が10月1日、移転新築した時任町で新病院を開院した。旧病院の約1.6倍の土地面積に地上4階建てのスケールで誕生した新病院の機能とこれからの高橋病院が目指す姿を理事長・病院長の高橋 肇氏に聞いた。 「メディカルページ函館・道南版 2024年冬号」(令和6年11月20日発行)掲載記事のベースとなった高橋理事長へのインタビューを再録しました。 |
新病院開院の心境
1894(明治27)年に現在の豊川町に医院として開業して今年で130周年。大火で医院が消失して元町に旧病院が移転したのが90年前の1934(昭和9)年。130年にわたって西部地区のみなさまにお世話になってきました。
旧病院の建物は2000(平成12)年に増改築しましたが、既存のものを改修したため手狭になったということと一番大きな問題は耐震構造化でした。老朽化が激しいので、安全面からも移転が望ましいのではないかと2016年くらいから移転用地を探していました。
なかなか見つからなかったのですが、場所も環境も申し分のないこの時任町の地に移転が決まり、新築移転しましたが、オープンまでの道のりは結構長かったと感じています。
130年の間、西部地区にはお世話になったわけで、旧病院での仕事が長い職員は9月30日の患者さんの移転日には万感の思いがこみ上げたという人もいて、何人かは寂しい思いがしますと引っ越した後の旧病院のナースステーションの写真などを送ってきました。
新病院建設に際しての留意点
地域のために病院がどのように役立つのかだと思います。「暮らしを支え未来に貢献する」が基本的な考え方です。従来通りリハビリテーションを軸として、在宅療養支援病院として一次救急プラス軽い二次救急も担える体制にしたいと考えています。医師も10数名おりますので、この規模の病院としても充足感はあるのではないかと思っています。
また超高齢社会ですので、独居の方や高齢の方など病院に来られるのが大変な方も増えていますから在宅医療、訪問診療にも力を入れています。現在、訪問診療の患者さんは360名ほどですが、もっと多くの方に対応して地域に貢献したい。そのためにも近隣の医療機関と一層連携を強化していくつもりです。
若い患者さんは早く身体を治して職場に復帰したい。一方、ご高齢者は多様な疾患をお持ちだったり、お帰りになってもリハビリのための環境がご自宅と病院では違うとか、ご家族のフォローやサポートなどの背景因子が非常に複雑になっています。その調整が必要だと思っています。
関係者が十分話し合ったうえで、その方が生きがいや満足感、幸福感を持つことができるように、地域の中で支えていく仕組みをつくりたいと思っています。ひいては、その方の一生涯をずっと追える生涯カルテを当院が得意としているITで実現したいと思います。