第7回 えっ!冬でも冷やすの?

toyo_doc「東洋医学的 健康針断」では、年4回、益井東洋治療院の益井院長が、現代西洋医学とは、少し視点を変えて診た「体や健康」についてのお話をしていきます。お気軽にお読みください。
<東洋医学的 健康針断>

コラム寄稿:益井 基 院長
(益井東洋治療院)


皆さん、こんにちは!
いよいよ寒さが本格化してきて、灯油の値段を考えると、より一層、冷えが身にしみるこの頃ですね・・・いったいどこまで値上がりするのでしょう。

さて、寒くなってくると多いのは、男性で雪かきやタイヤ交換、女性は漬物漬けや大掃除などによる「腰痛」「肩コリ」などの症状です。
単純に寒さが要因になってはいるのですが、それが下地となり、腰に負担の大きい姿勢や持続的な筋緊張が重なることによって、発症してしまいます。
ここで重要なのは、温かい時期と比較すると、圧倒的に多いと思われるのが、初期治療の間違いです。
多くの皆さんが、寒い中で痛めてしまった為、温めることを第一に考え、真っ先に患部にカイロをあてたり、温泉にゆっくりとつかってしまうのです。

これはいけません・・・
急に痛みが出たものや、痛みが増してきたものは、必ず炎症がどこかで起こっております。
つまり患部付近は、炎症により腫れているわけでありますから、そこを温めると、火に油を注ぐようなものですね。
冷やさなければいけないときに、温めてしまうと炎症がきつくなり、ほぼ間違いなく痛みが強くなったり、状態を慢性化させてしまいます。
温めている間は筋肉の緊張は取れ、血行も良くなるので気持ちよいのですが、少し時間をおくと、逆効果だったことに気づくでしょう。
患部の腫れが目に見えたら、腫れている所を温める人はいないでしょうが、目に見えないために、多くの人が間違ってしまうのです。


そこで間違えないための目安です!

◎ 急に痛みがきつくなったもの
◎ 突然痛みが出てきたもの
これらは間違いなく急性の炎症ですから絶対に冷やして下さい。

◎ もう何年間も同じような痛みがある
◎ 疲れたことによって軽い痛みや重苦しさを感じる(これに関しては疲労性の炎症がおきるかもしれませんから、お風呂などで温めた後、冷湿布をした方が、無難だと思います)
これらは温湿布やお風呂で暖めてください。

どちらが良いのか解らない時は、まず先に冷やす事から始めれば、間違いがないと思います。


ここで最も効果的な患部の冷やし方をご紹介いたします。

私のホームページにも載せていますが、「ぎっくり腰」や、「寝違い」など、急に強い痛みが起こってしまった時は、氷嚢で冷やすのが最もお勧めです。

<冷やし方>

  1. 冷蔵庫の氷を取り出し、氷に付いている霜を水道水で一度、洗い流す。
  2. 水漏れしないビニール袋に、氷とお水を入れる。袋はジップロックなどキッチン用で充分に代用できます。
  3. 痛い部分に直接、氷嚢を乗せて冷やします。このときタオルなどは巻かないほうが効果的です。
  4. 最初5分ほどはかなり冷たく、ジンジンと痛いくらいかと思いますが、少し我慢して約10~13分くらい冷やしてください。また、一度に冷やす部位は、2部位までです。

※患部の熱を取るのが目的で、体を冷やすのが目的ではありません。
風邪を引かないように、温かい部屋でおこなってください。
蓄冷剤は熱を奪うスピードが速いために、患部の冷却には適しません。
痛みの状態で冷やす回数や、お風呂との関連などが変わりますので、詳細は、遠慮なく問い合わせ下さい。


普段は十分に体を温め、怪我やぎっくり腰に気をつけて生活してくださいね!!