第6回 介護予防

toyo_doc「東洋医学的 健康針断」では、年4回、益井東洋治療院の益井院長が、現代西洋医学とは、少し視点を変えて診た「体や健康」についてのお話をしていきます。お気軽にお読みください。
<東洋医学的 健康針断>

コラム寄稿:益井 基 院長
(益井東洋治療院)


先日、おしま病院の福徳院長や北美原クリニックの岡田院長らが、中心となって活動している、「在宅ケア研究会」の定例会に行ってきました。
会場は座る所が無いくらいの大勢の参加者でした。
この研究会は他業種の人たちが、交流を深め、お互いの立場、職種の垣根を払いのけ、役割分担をしながら、ネットワークを構築し、患者さんがより良い環境で過ごす事ができるようにしていこうという目的の元に立ち上げられた、すばらしい理念の会なんです。
そこで「介護者が認知症の高齢者2人暮らし」の在宅支援の事例報告を聞いたのですが、私が想像したよりも、ずっと多くの人たちのサポートと、その人たちの大きな努力が必要なんだということを、改めて目の当たりにしました。
未曾有の高齢化社会を向かえ、医療も介護も法律改正が行われ、患者さんとっては、どんどん厳しさがまして来ています・・・
将来の財産として残すべきは、自分の健康であるということを再認識いたしました。 そのためには、自分の生活の質が低下せぬように、健康に対し予防的な意識をはっきりと持つことが絶対に必要なのであります。
元気なうちから、将来における自分の体のイメージをしっかり持ち、それに対し「地道に」、「持続的に」予防を継続する習慣を持ちましょう!!


そこで今回は、「介護予防」のポイントについて書いてみます。 以前から「健康の3大原則」として

  1. バランスのとれた食生活
  2. 規則正しい生活習慣
  3. 歩行を中心とした適度な運動

今までも事あるごとに、これが重要ですと述べてきましたが、介護予防も全く同じで、これが基本になります。

続けることが最も大切

時の流れとともに加齢は進みます。一度、怠けたら坂道を転げ落ちるように筋力低下は進んでしまいます。現在の年齢での身体機能を5年後も維持することはできますが、落ちてしまったものを、5年前の状態にまで戻すのは、容易ではありません。 気持ち的にプレッシャーにならない程度に、楽しみながら継続できるように工夫してください。

気持ちが良い程度に

介護予防というと筋力トレーニングの印象が強いのですが、ストレッチから始めるのがよいでしょう。

まずは、深呼吸!
意外に日常生活では、あまり深呼吸をすることが無いと思います。
腕をできる範囲で大きく回しながら、新鮮な空気をたくさん吸い込んで、全身に酸素を送り込むイメージを持ってやりましょう。
頚、腕、背中、胸郭のストレッチになり。心肺機能も上がりますよ。

生活のリズムを作りましょう

朝起きて、夜寝るまでの食事や排泄、行動のリズムを自分なりに作りましょう。
それを記録したりするのも良いと思います。
介護予防のための体操を、朝食や昼食の前に必ずするなどと、日常の生活習慣にすることが大事ですね。習慣になってしまうと、やらなければ、なんか気持ち悪い感じになります。そうなればしめたもんですね!
具体的なことは、地域の包括支援センターにでも問い合わせると、色々教えてくれますよ。まずは、一歩を踏み出して、できるところから始めましょう。
生活の質の高い老後を迎えるためにね!!

 

介護予防とは?

◎元気な方は・・寝たきりなど介護が必要な状態になるのを、できる限り防ぐ
◎介護が必要な方は・・心身の状態が今以上に悪化しないように、維持や改善を図る

いつまでもイキイキと自分らしく生きる。介護予防はそれを実現するための手段です。