第5回 20年を振り返り、思うこと
「東洋医学的 健康針断」では、年4回、益井東洋治療院の益井院長が、現代西洋医学とは、少し視点を変えて診た「体や健康」についてのお話をしていきます。お気軽にお読みください。
<東洋医学的 健康針断>
コラム寄稿:益井 基 院長
(益井東洋治療院)
月日が経つのは本当に早いもので、私が開業してから、平成18年11月8日でまる20年が経過いたしました。
当時、鍼灸治療や整体治療は、今ほど「東洋医学」や「代替医療」などと話題や脚光をあびておらず(まぁ、現在でもさほど浴びてはいないですけどね・・)、函館で若い鍼灸師なんて、私以外には会ったことが無いほど珍しい存在で、鍼灸師会に出席しても、父親ほどの年齢差のある大先輩ばかりであったと記憶しております。
私が函館に帰ってきての第1号の患者さんは、実は現在でも予防のために1ヶ月に1度は、治療にいらしているのですが、先日、その方が治療にいらした時に、当時のことを懐かしくお話しました。 当時、その方は股関節から下肢にかけての痛みがひどく、函館はもちろんのこと、札幌の医療機関まで受診しても、治らず大変に苦しんでいたのです。 少々、時間はかかりましたが、何とか私のところで治すことができて、その後、その患者さんから、たくさんの患者さんを紹介していただきました。
益井東洋治療院は、まさにそこから始まったのでした。
先日のその患者さんとの話の中で「先生のところは、当時20年進んでいたんじゃない?!」と言われ、まんざらでもない気持ちでしたが、今思い返せば、確かにそうだったかもな~んて思っちゃいました。 今、巷で流行している「ゲルマニウム温浴器」。これはすでに2台設置してありました。 両手足をつけて20分くらいすると、代謝が促進され、全身から大量の発汗があるのです。 すごく気持ちよかったのですが、ゲルマニウムの水溶液が随分高くて、コストも時間もかかるので、ある日、バスクリンを使ってやってみたら、なんとゲルマニウムと同じくらいの汗が出たのです・・・これでなんだかがっかりしちゃって、患者さんには使わなくなったんですよ。(笑)
また、私のメインの治療手技であります、整体治療をやっている人は当時、ほとんどいなかったと思います。今では無資格者による整体治療が大流行(??)で、町中、看板と広告であふれていますよね・・・(どうなってるの??いったい)
治療院の名前の前にマーク・ロゴを入れるのも、あまり無かったように思います。 今では事業所名の前には、シンボルマークが入るのが、常識になっていますよね。 ちなみにうちのマークの意味は、「新しい世界への入り口に一歩を踏み入れている」という意味なのです。 新しい世界というのは、もちろん「健康」ですよね。「益井東洋治療院で苦痛や苦しみから解き放たれて、健康になりましょう!」というメッセージです。
α波の脳波が出るという、環境音楽も当時から、治療院内でかけていたのです。これは聞いていると気持ちよく、眠たくなってしまい、まいりましたよ。 このように当時、治療院で取り入れていたことはすべて、現在、また流行していますもんね。われながら先見の目があるかな(笑)
そうこうして頑張ってきた20年目にして確かに思うことは「原点に忠実な医療」ということでしょうか。 これは、「その場しのぎの治療」であったり、「物や器具に頼る治療」、「患者さんに対して誠意や誠実、優しさが無い治療」は絶対にだめだということです。 これらは月日の流れのうちに、間違いなく淘汰されていきます。 「病んでいる人に手を差し伸べる」という原点を考えると、おのずと道は残ってきました。 無駄なものが削げ落ち、必要な手技・方法が研ぎ澄まされ、20年かけて選択され、また新たに生まれた治療法を用いて、患者さんから求められる思いに答えられるよう、日々、真摯に誠実に、患者さんに接するということが最も重要なことであります。
これからの20年先を見据え、地域医療にさらに貢献できますよう、努力・精進して行こうと思っております。
これから先の益井東洋治療院は
1) 健康の維持・増進
2) 病気の予防・治療
3) 高齢者の生活の質(QOL)の維持・向上
これらを合言葉に「思いやる心からの医療」を実践していきたいと考えております。
今回のコラムでは、これからの思いを宣言したに止まりましたが、次回からは少しでも役に立つ豆知識をご紹介していきたいと考えております。 ではでは、良いお年をお迎えください!!