開院20年のAKA(関節運動学的アプローチ)専門病院 開院契機の仙腸関節研究と今後の抱負

医療法人社団 優生会 藤崎整形外科クリニック 藤 崎 俊 英 院長
北斗市開発225番地8 TEL0138-77-1010  http://fujisakiseikeigeka.jp/

平成10年11月21日、当時の大野町開発の現在地に開院した藤崎整形外科クリニックが20年の節目を迎えた。開院当初から道南一円の無料送迎バス運行などで患者の利便性を重視。また、AKA(関節運動学的アプローチ)専門病院として、仙腸関節の調整による治療にも取り組む同クリニックの藤崎俊英院長に開院20年の歩みと今後の抱負を聞いた。


「メディカルページ函館・道南版2018年冬号」(平成30年11月1日発行)の冊子に掲載された記事です。

 

特に整形外科医を選ばれたのは、何か理由がありますか?

■藤崎俊英院長

理由は特にありません。成り行きです。
大学入学時は精神科が良いかなと思っていました。ただ、卒業する時に、傾向として、ガリ勉の人や勉強熱心な人は内科系に行き、性格の大人しい人は皮膚科、耳鼻科、眼科などへ行き、スポーツ系の人は外科系が多かったです。
私は6年間空手道部で揉まれていたので、あまり勉強も熱心ではありませんでした。医師になったら勉強しようと思っていました。
ただ、卒業の年に、北大の「良心」と言われた石井清一先生(札幌医大名誉教授)が、札幌医大整形外科に赴任されました。石井先生は大変人気があり、私も同期13人と入局しました。その年の進路では整形外科が一番多かったです。

開業を決意されたきっかけを教えてください。

毎年のように、様々な地方に1年おきに出張勤務していたので少し疲れていました。
また、私の医師としてのテーマである仙腸関節の研究を進めたいと思ったからです。
その頃、あまり注目されていない分野で、大学でも教えてくれる先生がいなかったのが現状でした。脊椎の手術をしても、神経痛や腰痛は良くなるのですが、逆に仙腸関節の痛みが出てくるのが、不思議でもありました。
今思えばJOHO仙台病院の村上栄一先生も同じ頃に仙腸関節の研究を始められたようです。

では、当時大野町だった現在地を開業地に選ばれた理由は?

自宅が旧大野町にあったということと、バスの送迎を考えていたので、広い土地を探していました。
旧大野町は、将来性があると思いました。ただ、その時はまだ新幹線の駅が決まっておらず、新幹線の事はまるで考えていませんでした。上磯町と合併するとも考えもしていませんでした。
 
開業に当たって、患者さんの無料送迎バス運行を決めていらしたのですね。

将来、車の無い一人暮らしの高齢者が増えるのではないかと考えました。
それに、患者さん同士は連帯感がでますので、特に、遠くから来る患者さんは、旅行気分で楽しんで来られるのではないかとも考えました。

スタッフには柔道整復師や鍼灸師の先生もいらっしゃいますが、その狙いは?

鍼は、特に頸椎捻挫に効果を発揮します。事故の患者さんには大変好評です。
柔整師は、仙腸関節の調節に貴重な戦力です。もちろん手技には個人差がありますが、当院では一定レベルを維持していると思います。歩けなかったぎっくり腰の患者さんが、仙腸関節の調節によって、歩いて帰る事もよくあります。

開院の目的でもあった仙腸関節の研究がクリニックでも生かされているのですね。

仙腸関節について説明すると、骨盤は一対の腸骨と一個の仙骨の三つの骨で構成されていて、腸骨と仙骨の連結部分にあるのが仙腸関節です。つまり左右一対の仙腸関節が骨盤をコントロールしているのです。
当クリニックは、AKA(関節運動学的アプローチ)専門病院です。AKAは簡単にいうと仙腸関節の調整。大阪大学医学部の整形外科医、博田節夫先生が開発した治療法です。

AKAはどんな症状に効果がありますか?

■開院20年を迎えた藤崎整形外科クリニック

博田先生は、仙腸関節機能異常、単純性関節炎、関節炎特殊型に分類していますが、ほとんどが仙腸関節機能異常、俗にいうぎっくり腰です。調整すると大体1週間で治癒します。2、3日で治る場合もあります。また、1度調整すると4、5年はぎっくり腰にならない人もいます。
なぜ、ぎっくり腰が起きるかというと、重いものを持ったりしてお腹に力を入れると仙骨が前に出る、うなずくような動きをするため仙腸関節の機能異常が起きます。
骨盤の痛みがとれない人、サッカー選手などに起きやすい股の付け根の鼡径部の痛み、肩や首などの痛みなども仙腸関節を調整します。
工場で働いている人やスポーツ選手を仙腸関節の調整で、一生懸命治療しているわけです。

開業時の20年前と比べて、医療環境は大きく変わったと思われますか?

これだけ介護が盛んになるとは思いませんでした。医療は日進月歩で、新しい知識を常に吸収していないと、どんどん遅れるという危機感を持っています。
専門分野とは別に、内科や眼科、精神科の知識取得が必要で、将来的にみると、家庭医を目指すのが必要と思っています。

院長先生ご自身の6年前の心筋梗塞のご体験は、その後の診療に影響を与えましたか?

自分の身体を気遣う事が必要と自覚しました。それまでの人生をかなり反省しました。人の生き死にを、より敏感に感じるようになり、患者さんにも親切になったと思っています。

最後に開院21年目以降に向けての抱負を教えてください。

あと20年は仕事をしたいと思っています。荏苒(じんぜん)と過ごすのは良くないので、主に頭を鍛えたいと思っています。具体的にはエコーの勉強、漢検1級を取ったら、英検、TOEICに挑戦したいと考えています。

 

(取材日:平成30年9月20日)


藤崎整形外科クリニック
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