家族の介護疲れを軽減させるショートステイ

ADL(日常生活動作)を維持しながら利用者に楽しい時間を提供

㈱メディカルシャトー函館 ショートステイ白ゆり乃木 管理者 梜間(はざま)拓矢さん(介護福祉士・社会福祉主事)

白ゆりグループ ㈱メディカルシャトー函館:函館市美原2丁目50-2 TEL.0138-34-3231 https://www.shirayuri.gr.jp/

自宅で親御さんなどの介護をしている方が、急用などで介護できなくなる。そんな時に頼れるのが介護サービスのひとつ『ショートステイ』。白ゆりグループ(本社札幌市、佐藤文彦社長)は、函館市内に乃木、美原の2施設のほか、北斗市七重浜に1施設のショートステイを展開している。ショートステイ白ゆり乃木管理者の梜間拓矢さんに便利な利用方法や施設選びのポイントなどを聞いてみた。


「メディカルページ函館・道南版 2021年冬号」(令和3年11月18日発行)の冊子に掲載された記事です。

 

■梜間 拓矢さん

 親御さんなどの介護をされている方が入院や冠婚葬祭のため不在になり介護ができなくなる。または仕事で疲れて、休みの日も自分の時間がつくれず、介護で大変というご家族の介護負担を軽減させる。そのために、ご利用者が1泊2日から約1カ月など、個々に合わせた期間で利用いただく。これがショートステイの役割、利用目的となっていることが多くあります。デイサービスのように毎週決まった曜日で定期的にご利用する方も多く、1カ月の介護保険限度支給額内であれば、ショートステイも毎月定期利用をスケジューリングすることが可能です。

ショートステイのいろいろな活用方法

 要支援1から要介護5まで介護度によってショートステイを使える日数は異なります。要介護3以上になると基本的には継続的な利用が可能です。ご自宅でご家族が介護するのが大変になってくるのが、おおよそ要介護3以上の段階です。車いすの利用や夜間のおむつ交換などが必要になり、24時間体制での介護や見守りがないと生活が難しく、施設入居をご検討する段階になると思います。でも、施設が空いていないという時に入居できるまでの期間、ショートステイを利用するのも一つの方法です。
 そのほか、介護しているご家族が病気に罹られて入院期間の2、3カ月を利用する。また退院が長引いたり、退院しても介護する体力が戻っていない時などにはショートステイの利用期間延長も可能です。延長利用したい期間が分かった時点でご相談いただければ、お部屋を確保することも可能です。

ショートステイ利用の申し込み方

 基本的には担当ケアマネジャーを介してお申し込みいただきます。ご希望を伝えるとショートステイの空室状況を確認してくれ、ご希望のショートステイが空いていなければ他のショートステイをケアマネジャーが紹介してくれます。ご家族が利用したいショートステイに直接問い合わせいただいても良いのですが、ショートステイの担当者から担当ケアマネジャーにもお話してください、という案内があると思います。ご家族によっては、希望するショートステイに直接連絡を取り、空室状況を確認してからケアマネジャーにお伝えするケースもあります。
 また、実際にショートステイを利用している間に利用延長を希望すると、介護保険内で利用できる区分支給限度額をオーバーする場合があります。そういった場合にはオーバーした分が介護保険適用外となり、その分が10割負担となってしまいます。そのようなことが起こらないようにケアマネジャーが調整してくれます。

利用者とその家族が気がかりなこと

 ご利用者は、個室かどうか。トイレが近くにあるのか。食事は美味しいのか。滞在中退屈しないのかなどを気にされます。デイサービスのように夕方にはご自宅に帰れるサービスと、2泊3日など宿泊が伴うショートステイではストレスが全く違うため、デイサービスよりも利用のハードルが高くなるかと思います。ですから、ご家族としてはご利用者がショートステイから帰ってきた後に“良かった、また行ってもいいよ!”と言ってくれると、“次も利用できるね”と安心していただけます。

ショートステイの運営での基本

 ご自宅で在宅生活を続けているご利用者の方が多いので、ADL(移動・排泄・食事・更衣・洗面・入浴などの日常生活動作)を維持することに注意しています。ショートステイの利用後に「今まで歩けていたのに歩けなくなった」「自分で食べていたのに食べられなくなった」「トイレで立てていたのに立てなくなった」というようになると、在宅生活を維持していくのも難しくなります。 
 ADLを落とさないようにご利用者の身体の状況を正確に把握します。すべてを介助するのではなく、ご自宅でご自身ができていたことは、ショートステイでもご自身でやっていただいています。

白ゆりグループのショートステイの特徴

 乃木、美原、北斗のショートステイは、レクリエーションや体操、行事などデイサービスと同じように行う、楽しいショートステイがコンセプトです。ハード面でいえば、北斗はユニット型で家庭的。美原はビジネスホテルのように全個室にトイレと洗面所がついています。乃木は40室ある道南エリアでも最大級のショートステイで、美原と北斗をミックスしたようなユニットケア。隣接する『乃木(なごみ)温泉』さんから直接ひいている温泉が特徴です。
 各施設ともテーマはADLを維持することです。お部屋で寝ている、フロアで座っている、それだけではADLが落ちてしまいます。「今の時間は歌を歌ってもらおう」とか、「身体機能の維持に体操に参加してもらおう」「拒むけど、トイレに行くのを頑張ってもらおう」など、その方に合わせたアセスメントからケアプランを立案し、スタッフはそのプランに沿った介助を行います。もちろん基本的な介護は大事にしていますが、過度な介護はしていません。ショートステイは年末年始も休むことなく、年中無休です。スタッフもショートステイ専従のスタッフが対応させていただきます。

左から ■ショートステイフロア ■居室 ■大浴場

(取材日:2021年10月28日)


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