宝来町の一色医院が石川町に移転 CTも導入、内科・消化器科も診療科に
一色クリニック 一色 裕之 院長
函館市石川町181番56 TEL0138-86-5527 URL https://isshiki-cl.jp/
一色医院が函館市宝来町から石川町に『一色クリニック』として移転、11月8日開院した。肛門科に加えて、理事長・院長の一色裕之先生が専門とする内科・消化器科を診療科目にCTも導入。内視鏡手術などクリニックで可能な限りの医療技術を提供し、患者さんが安心して受診できるクリニックを目指している。 「メディカルページ函館・道南版2021年冬号」(令和3年11月18日発行)の冊子に掲載された記事です。 |
移転に際して名称変更と併せて新たに内科と消化器科を診療科目に加えましたね。
当院は私の祖父である宗太郎が開いたのが始まりです。もともと祖父は蘭越で町医者をやっていましたが、高齢で体力的にもきつくなり移転を考え、当時は札幌より栄えていた函館の宝来町に肛門科を開業しました。そこを父が継ぎ、今回、私が理事長を継いで診療所の名前を変え、これまで父の道夫が診ていた肛門科に加えて、私が担当する内科と消化器科を診療科目にしました。
肛門科は、これまでどおり父が担当しますが、基本的に保存療法、冷却療法や薬剤の治療が中心です。手術が必要な症例は、手術ができる病院を紹介しています。
先生は外科を選ばれなかったのですね。
父は岩手医大の外科に入って、祖父の肛門科を継ぎました。私は研修医制度の際にいろいろな診療科をローテーションで携わってみて、患者さんの話をじっくり聞いて、診療に当たるのが自分に向いていると思い内科を選びました。
内科の中で特に消化器科を選ばれた理由は?
もともと父と祖父が肛門科でしたので、大腸や胃など腹部臓器に興味があったことが一つです。またもう一つは、消化器内科でしか行わない、胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査があることです。内視鏡検査では、ポリープやがんなどの診断だけでなく、ポリープやがんを切除するという治療も行うことができます。早期の癌であれば、内科で診断から治療まで全部できるというのは非常に魅力的でした。
今はいろいろな治療方法も出てきましたが、私が研修医になった頃は、内視鏡で診断から治療までできるというのが画期的なことで、これは一生やってもいいものだなと思い消化器内科を選びました。
クリニックでも内視鏡手術を行うのですね。
胃カメラ、大腸カメラでは検査を行い、切除したほうが良いポリープに関しては切除をします。入院の必要もなく、その日のうちにご帰宅できます。
クリニックの特性上、巨大なポリープなど場合によっては大きな病院にお願いすることもあると思います。しかし、大腸カメラは下剤を飲んで、便を全部出して、お尻からカメラを入れるという大変な検査ですので、可能であれば1回で検査から治療まで行い、患者さんの負担が少ないように行うことを心がけています。
どういう時に受診すればよいのでしょう。
内科の診療は幅広く行っております。風邪などの症状がある、何となくだるい、調子が悪い、夜眠れないなど、ちょっとしたことでも構いませんので受診してもらえればと思います。健診などで血圧やコレステロール値が高いといわれた方やまた、私は消化器内科が専門ですので、お腹が痛い、お腹が張る、便に血が混じる、食欲がないなどの症状がありましたら、ぜひご相談ください。
一色クリニックが目指す医療について教えてください。
私は小さいときから、困っている患者さんが病院に来て、祖父や父の診療を受けて回復し、笑顔で喜んで帰って行く様子を見ていて、困っている人を助けることができる医療というのは非常に素晴らしいことだと思っていました。それは私が医師を目指した原点です。
病気によっては完全に治るのは難しいものもあり、内科ではそういった病気が多いと思います。例えば消化器でいうと潰瘍性大腸炎やクローン病など、治療方法が確立されていない病気やある程度は薬で抑えられても完全に治るとはいえない病気は、たくさんあります。そういった患者さんにも寄り添い、患者さんが笑顔になるような医療を目指していきたいです。
クリニックには内視鏡やエコーのほか、CTも導入されましたね。
症状があって困っている患者さんには、できるだけその日のうちに検査と治療をしてあげたいという気持ちがあり導入しました。また、お仕事などでなかなか病院に来る時間が取れない方もたくさんいらっしゃると思います。レントゲンや採血、エコー検査でわかることもたくさんありますが、そこに内視鏡やCTを加えることでさらに詳しく調べることができます。
CTは頭や胸、おなかの病気、例えば肺炎や虫垂炎などの良性疾患や肺癌、肝臓癌、膵臓がん、大腸癌などの悪性疾患の診断に非常に有用です。これらの機器が患者さんの診療に少しでも役に立てればと考えています。
石川町を移転先に選ばれた理由は?
これまで宝来町で診療を行ってまいりましたが、建物の老朽化もあり、私が今後診療を続けるためには建物の建て替えが必須でした。また、函館の発展とともに西部地区よりは遠方からいらっしゃる患者さんが増えてきていました。このため建て替えを機に、より多くの患者さんが気軽に受診できるように、より交通の便のよいこちらの石川町に移転を決めた次第です。
石川町は若い方も多く、なるべく多くの方にとって身近なクリニックを目指したいと思っており、今後はネットからの外来予約や内視鏡検査予約を予定しています。
(取材日:2021年10月22日)
一色クリニック
函館市石川町181番56 TEL0138-86-5527
■駐車場:25台
■休診日:日曜、祝日
■オフィシャルページ/基本情報