《英語診療事始》②We can serve patients who speak English~英語を話す患者様も診療できます~

※外国人の患者さんを英語で診療している五稜郭みやざき勢内科クリニック院長 宮崎 勢先生のコラムです。
青字表記の英語・中国語の正しい発音は翻訳アプリでご確認ください。

薬袋も英語で説明

英語で説明が書かれた薬袋

外国人の患者さん向けにお薬の内服の仕方を英語で書き入れた薬袋も自分でつくりました。これもすぐに思いついたんじゃなくて、何年か外国人の患者さんを診ている内に、薬局から薬をもらっても分からないという方には、こういう薬袋がないと困ると思ったんです。 英語の問診票までは思いついても、薬の飲み方まではなかなか思い至らないと思います。うちの門前の薬局には、この薬袋を渡して説明してと頼んでいます。

オーストラリアの人が、ひどい下痢で来たことがあって、僕は漢方薬を出したんですが、漢方薬というのが分からない。chinese medicine(チャイニーズ・メディスン)といってもだめだし、漢方薬という説明はしないほうがいいと思っています。でも、漢方薬の好きな海外の人は多いんです。安心感があるみたいですね。生薬からつくった薬ですからハーブ、herbal medicine(ハァバル・メディスン)というとだいたい通じますね。

外国の方は、あいまいなのが嫌なんですね。お腹の調子が悪いんだったら、徹底的に調べて欲しいと希望されます。しかも、日本の保険証をもっていると、外国の方でも3割負担で済みますから、日本にいる間に胃カメラも大腸カメラも超音波もやって欲しいと。アメリカなら超音波だけで3万円くらいかかりますから。 恐らく検査や手術でも、それほどのトラブルはないという気が僕はしますね。

僕は患者さんとして来られたら、どこの国の方でも診ます。言葉が通じなくても、ボディランゲージで、それに診察すると、どこが悪いのかは分かります。がん患者さんが来るわけではないですし、 痛さは顔で判断できます。絵が描かれた痛みのスケールというのがあって、それを見せてあげると、どれくらいの痛みか分かります。

逆に、どれくらい痛いのかを正確な英語で聞こうと思ったら果てしなくなります。「How’s painful?(ハウズ・ペインフル)」とか「What’s a pain?(ファッツ・ア・ぺイン)」でも通じると思います。 どのような痛みかは、診察すれば大体予想がつくと思います。確かに鈍い痛み(dull pain=ダル・ペイン)とか差し込む痛み(stiky pain=スティッキー・ペイン)とか、違いが無いわけではありません。でも激しい痛みなら平気な顔はしていない。 ですから、そんな単語を一生懸命覚えても、多分役には立たない。倉庫の奥に畳んでおくような単語だと思います。

「どのようにしたら、あなたの訴え(痛み)が緩和するんですか」という聞き方。もし長ったらしく英語でいうとすれば、「How do you ease your complains?(ハゥ・ドゥ・ユー・イーズ・ユア・コンプレインズ)」。そんなこといわなくても、「How ease ?(ハゥ・イーズ)」どうやれば楽になるのっていう感じですよね。

診察だけじゃなく、レントゲンの撮影では、「大きく息を吸って」「息を止めて」というのも覚えなくてはなりません。

本などには「Take your breath ,deeply(ティク・ユア・ブレス・ディープリィ)」と書いています。確かに通じるかも知れませんが、レントゲン室に行って裸になっているのに、そんな長ったらしい単語をいってもしょうがない。これは習った英語ですが、「Big breath,please(ビッグ・ブレス、プリーズ)=大きく息を吸って」それで「Hold it(ホールディット)=息を止めて」、あとは「OK(オーケイ)」、そして「Thank you(サンキュー)」。

こちらの指示で、患者さんがやってくれたことに対しては、必ず Thank you を付けなければなりません。Thank youを付けないと外国の方には真摯に映らないんだと思います。多少英語はへたくそでも、マナーがきちんとしたドクターだというだけで信用してくれます。総合病院ならレントゲン撮影は技師さんが撮影するので技師さんも覚えておいて欲しいですね。

内視鏡は、口から息をしないで鼻からと説明します。どうして口から呼吸しちゃだめなのかというと、口から唾液が気管に入ってむせちゃうから。でも説明の中に医学専門用語が入ったら、彼らはますます分からなくなりますから、ごく平易な日常の言葉で話すことが大事。

鼓膜は医学用語でtympanum(ティンパニム)というんですが、彼らは分からない。ear drum(イヤードラム)、または単にdrum(ドラム)というと分かる。 外国人は鼻が高い割に鼻腔が細くて狭いので副鼻腔炎が多い。これもsinuitis(サァナサァティス)という単語を覚えておかないと。

胃(stomach=ストマック)や肝臓(liver=リバー)は分かるけど膵臓(pancreas=パンクリアス)となったら、まったく分からない。たとえば「behind stomach(ビハインド・ストマック)=胃の後ろ」というふうに、それがどこにある臓器なのかを説明しなければなりません。

2年くらい函館に住んでいたプエルトルコの人が今、ニューヨークにいて、病気のことを知りたいと時々メールを寄こすんです。「こんな薬を出されたけど本当に効くんですか」って。もちろん無料で答えてあげていますが、USAの人もイングランドの人も、あまり母国の医者を信用していないと感じることがあるのは、こんな時です。

外国語で診療する時には、こちらの熱意だけで伝わります。英語のうまい下手は関係ない。絶対通じます。 僕は中国語はまったく分かりません。ただ、中国語は漢字で通じることが多いので、中国人の患者さんが来て、物凄く困ったというのはないです。 紙に書いての筆談ですが、中国語を少し勉強すれば書けます。「你今天怎么办了?(あなたは今日はどうしましたか)」と漢字で書いたり、あるいは「何?」と書いただけで、分かってくれるんです。 あとは当たって砕けろですね。

とにかく度胸をもってやるしかない。それと平易な単語を使うこと。所詮、間違えるんだから、完璧な英語を使おうとしないこと。 この3つをきちんとやっておけば、今までまったく二進も三進もいかなかったという外国人は誰もいませんから、何とかなるという気はします。

僕が最近診ていて、凄く多いなと思うのはメンタル。抗うつ剤を飲んでいる外国人の方がびっくりするくらい多い。「何歳の時から始まったの」と聞くと、大体二十歳前後。高校から大学に行くときに、いろいろなストレスで起きちゃうのかも知れません。要するにパニック障害ですが、最近来られている患者さんは男性がほとんどですが、抗うつ剤を飲んでいる方が多い。 そういう単語も覚えなければなりません。

Lack of energy(ラック・オブ・エナジー=だるい)といういい単語を覚えました。そういえば確かに彼らは「I have no energy(アイ・ハブ・ノウ・エナジー)」っていいますね。

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