第10回 転ばないための足作り

toyo_doc「東洋医学的 健康針断」では、年4回、益井東洋治療院の益井院長が、現代西洋医学とは、少し視点を変えて診た「体や健康」についてのお話をしていきます。お気軽にお読みください。
<東洋医学的 健康針断>

コラム寄稿:益井 基 院長
(益井東洋治療院)


暖かいと思っていたこの冬も、クリスマス以降、めっきりと冷えだして、本格的な冬に突入といった感じですね。
この季節、外に出かけるのも寒いし、足元が滑るので、歩くこともおっくうになってしまいます。
しかし、歩かなければ、どんどん脚力は落ちてきて、ちょっとしたきっかけで、転んでしまうようになってしまいます。
高齢者は、転ぶことが、時には命取りになってしまうことさえありますので、日ごろから、転ばないための対策を考え、実行する必要があると思います。
そこで今回は、「転ばないための足作り」ということで、高齢者向きの部屋の中で出来る簡単な筋力トレーニングをいくつか紹介したいと思います。
今回もまたまた、鍼灸治療とは関係ありませんが、健康を維持するといった意味合いで、非常に大事なことですので、どうかお役立てください。


【転ばないための足作り】

A)つま先上げ(左右)

  1. 椅子に腰かける
  2. 両足のつま先をゆっくりと上げる
  3. ゆっくりと元の位置に戻す

B)もも上げ(左右)

  1. 椅子の背もたれをつかんで、横向きに真っ直ぐ立つ
  2. 片足の膝を曲げ、太ももが床と平行になるまで、ゆっくりと持ち上げる
  3. ゆっくりと元の位置に戻す

C)つま先立ち

  1. 椅子の背もたれをつかんで、前向きにまっすぐに立つ
  2. 両足のかかとをゆっくりと上げて、つま先立ちになる
  3. ゆっくりと元の位置に戻す

D)膝伸ばし(左右)

  1. 椅子に腰かける
  2. 片足の膝から下をゆっくりと上げて伸ばす
  3. 伸ばしたら、つま先を頭の方に向ける
  4. ゆっくりと元の位置に戻す

E)足の横上げ(左右)

  1. 椅子の背もたれをつかんで、肩幅くらいに足を広げて、前向きに立つ
  2. つま先は正面向き、上体を真っ直ぐにしたまま、ゆっくりと片足を横に持ち上げる
  3. ゆっくりと元の位置に戻す

このような運動をゆったりとした気持ちで、呼吸を止めないように、息を吐きながら「上げ」、息を吸いながら「下げ」をそれぞれ3秒くらいずつで行いましょう。
決して無理をせずに、「正しい姿勢」で、動かそうとしている筋肉はどこなのかを「意識」して行うことが、より効果的なやり方です。
行う回数は年齢や個人的な体の状態の差があるので、一概には言えませんが、自分がやってみて痛みが出ずに、そこそこくたびれるくらいの回数が適当な負荷の目安であります。
やっているうちに、できる回数が増えてくるはずです。
そして最も大事なことは、毎日、少しずつでも継続するということ。
「継続は力なり」ですよ!
この文章だけでは、やり方がわからない方は、保健所や通所リハビリなどで、教わることが可能であると思います。
ご自分でできる「転倒しないための足作り」を日々、地道に行い、健康的な生活をいつまでも続けたいものですね。
寒さが厳しい折、風邪などひかぬように、ご自愛してください。