アレルギー検査は血液1滴から 30分で結果が分かるドロップスクリーン

保立 裕史 院長

ほたてクリニック みみ はな のど   院長 保立裕史 先生
函館市亀田港町39-43 TEL.0138-41-3387  URL https://www.hotate-ent.com


今年1月から始められたアレルギー検査「ドロップスクリーン」について教えてください。

通常アレルギー検査は静脈への血管注射で採血しています。ドロップスクリーンが異なる点は、血管注射を必要としないことです。注射ではなく、指先に小さな針を刺して検査します。

血液採取量は約1滴(0.02mL=20μL)です。2、3歳児の血管注射は結構大変です。お子さんや注射が苦手という方にも負担が少ないと思います。これもドロップスクリーンのメリットと思います。中には痛いと泣くお子さんもいますが、採血したことに気づかないお子さんもいます。

30分で結果が分かると聞いています。

これまで検査の結果がでるまでに数日を要しました。ドロップスクリーンは採血したものをクリニック内の検査機器に入れてから30分で結果が出るので、検査当日に結果をお知らせできます。

ドロップスクリーン 検査機

普段、当クリニックに通院していない方や遠方にお住まいの方が、検査結果を知るために改めて来院する必要がありません。当日に検査結果が分かるのは、通院のために何回も時間を取れないという方にも受けやすい検査だと思います。

検査できる項目はどれくらいありますか。

ドロップスクリーンはアレルギーの原因となる主な物質41項目の検査が可能です。アレルギーは様々な症状を起こしますが、耳鼻咽喉科が接する機会が多いのはアレルギー性鼻炎です。ダニやほこり、ペット、花粉、カビなど19品目のほかに卵や牛乳、小麦、肉、野菜などの22品目の食物群を検査します。

しかし、血液検査だけで食物性アレルギーが正確に診断できるわけではありません。実際に食べてみるなど、血液検査とほかの検査を組み合わせて食物アレルギーを診断します。食物性のアレルギーが気になるという方には、ドロップスクリーンをひとつの参考にして欲しいと思います。

ご自分がアレルギーなのか分からないから検査をするのですか。

季節性のアレルギー性鼻炎なら、たとえば春先や秋口にグスグスしやすいのは、この花粉が原因じゃないかとかある程度のあたりを付けて検査する場合もあります。通年性のアレルギー性鼻炎の場合には、年中鼻がグズグズしている方もいらっしゃいます。

また、以前に検査をしたが、最近は他の原因のような症状がでるから、もう一度検査したいという方もらっしゃいます。その方の置かれている状況によって、身体の反応も変わりします。さらに時間がたってから検査すると、新しい項目が出たり、逆に項目が減ったりということもあります。

検査は初診でも可能ですか。また、予約は必要ですか。

初診の方も可能です。兄弟での検査も結構あります。30分とはいえ検査に回せる機械は1台ですから、3人兄弟で3人を検査すると90分は必要になります。その日のうちに検査結果を聞きたいという方は、機械が空いていないという事態を避けられるので予約をお願いします。

検査はアレルギーが疑わしい方であれば保険適用です。検査料金は、ご本人の保険負担割合によって異なりますので当院ホームページをご参照いただけたらと思います。


(取材日:2022年3月29日)