トヨタの福祉車両「ウェルキャブ」を展開する 函館トヨペットの迅速な相談・メンテナンス対応
ウェルキャブ車スタッフインタビュー②
函館トヨペット株式会社
函館市石川町169番地35 TEL.0138-46-2111
トヨタの福祉車両「ウェルキャブ」。高齢者や身体にハンデのある人に「移動する自由」を提供するのが、この「ウェルキャブ」だ。函館トヨペット㈱は販売後の迅速なメンテナンス対応で利用者の信頼を得ている。今回はウェルキャブに関するメンテナンスを中心に担当スタッフに話を聞いた。 「メディカルページ函館・道南版2020年冬号」(令和2年11月16日発行)の冊子に掲載された記事です。 |
最初にウェルキャブ部門を担当する横山孝博課長(新車部 法人営業・改善推進部 教育グループ)に前回(メディカルページ函館・道南2020夏号)に引き続いて話を聞いた。
福祉車両(ウェルキャブ)のメンテナンス対応について教えてください。
前回の取材の際もお話ししましたが、一番求められているのは福祉車両の増販ですが、私も車両販売に携わって26年になりますから、クルマを販売することも、お客様との信頼関係を築くことも決して簡単ではないことは承知しています。営業活動で特に心掛けているのは、お客様からの要望に迅速に応えるということです。車両のトラブル、事故処理などのお困りごとのご相談であれば尚更です。
昨年、当社のお客様ではない福祉法人様から板金修理のご依頼があり迅速に対応しました。その甲斐もあって、そのお客様には、後日、車両を販売することができましたが、送迎に使用している車両が何らかの原因で使えなくなることは困ったで済む話ではありません。お客様を第一優先に考え業務に支障をきたさないようにメンテナンス工場と連携を取り、全力で対応することが重要だと思います。
迅速な対応が信頼につながるわけですね。そういう事例は、ほかにもありますか。
これも昨年の話ですが、当社に入庫がないお客様から2件、車いすのリフトが動かないという連絡が突然入り、早急に対応しました。
五稜郭店在籍中も担当地域に病院や福祉施設が多かったので、福祉車両のステップとリフト修理は、他店舗と比べても多かったと思います。ハイエースの車両自体は丈夫ですが、スライドドアの下のステップは車体の下にあるので、どうしても融雪剤の影響で錆びて固着してしまいます。車いすのリフトは重いものを毎日何度も上げ下げして、何年も使用しますから、モーターにも負担がかかります。
しかし、先ほどもお話ししたようにステップもリフトも、不具合で平日使用できなければ業務に支障をきたしますので、お客様にはできる限りご負担がかからないように迅速に作業することは当然のことです。
ほとんど毎日しかも何年も使う福祉車両だけにメンテナンスが不可欠ですね。
最近はリースをご利用のお客様が多くなっていますが、車両をリースでご使用になるとリース満了時まで定額のお支払いで済みますし、定期的に入れ替えが可能になります。リース内容によっては期間中の突発的な修理やメンテナンス費用、タイヤ購入などの支払いが発生しません。何より長期間にわたって1台を使用するわけではないので故障の頻度は少なくなります。そうしたリースのメリットのご説明も積極的にしていきたいですし、安心・安全に乗れることが一番大事なことです。
函館市以外の渡島や檜山管内のお客様への対応を教えてください。
当社では松前・福島・知内町方面は木古内店。上ノ国・乙部・厚沢部町方面は江差店。せたな・今金・長万部町方面は八雲店、北斗市は上磯店の担当エリアです。各地方の店舗にも函館市内と同じくメンテナンス工場があります。渡島檜山管内全域での対応が可能ですから、お困りのことがあれば、いつでもご相談ください。続いて函館トヨペット㈱五稜郭店のサービスフロントを担当する北村司課長代理(サービス課 サービスマネージャー)。北村氏はトヨタ技術検定1級の資格を持ち、ウェルキャブのメンテナンスも行っている。
五稜郭店では、どれくらいのウェルキャブユーザーをお持ちですか。
担当している法人様も多いので、ウェルキャブの入庫台数では函館トヨペット全社の中でも一番多いと思います。6名のサービススタッフが、ウェルキャブのメンテナンス、修理をすべて引き受けています。
通常の6カ月点検、12カ月点検など車の法定点検もあり、ひと月に2台くらいは入庫します。ウェルキャブでは使用頻度によってはリフトのモーター不良とかスライドステップでは融雪剤の関係もあるのか、錆びて動きが悪くなって、出てこないなどの不具合を起こす時もあります。スタッフはすでに何台か経験があるので、直感みたいなもので、こういう症状が出たら原因はここと大体分かっているため迅速な対応ができていると思います。
利用者の送迎などに利用するウェルキャブをコンディションよく使う方法はありますか。
送迎利用のウェルキャブは、大体2、3年で10万キロを走行します。やはり点検とオイル交換が大切です。オイル交換は走行距離5,000キロに1回とか、半年に1回していただくとエンジンに物凄くいいので、車も長持ちします。
定期点検とオイル交換が大切ということですね。
定期点検の際に、いろいろアドバイスも差し上げることができます。点検をしない場合、車検の際に修理が高額になる時もあります。
また、点検のときにちょっとした不具合に気付くこともあります。その時は、リフトを下げてみたり、動きを確かめてからグリースアップ(駆動部品への給油・給脂)しておくこともあります。
エンジニアからメーカーへの品質改善・改良の情報提供制度というのがあって、特に故障頻度の高い部品や、改善・改良が現場で必要だと思った部分は、常にメーカーに情報提供しています。メーカーと販売店が一体となり、品質向上に取り組んでおります。森町出身の北村さんは、車が好きで、エンジンに携わる仕事に就きたいと整備士を目指し、平成6年に函館トヨペット㈱入社。整備業務担当のサービス一筋。
「ウェルキャブで困ったことがあれば、すぐ対応します」と迅速な対応を約束しています。
(取材日:2020年10月15日)