第31回 都会では最近流行の「美容鍼」

toyo_doc「東洋医学的 健康針断」では、益井東洋治療院の益井院長が、現代西洋医学とは、少し視点を変えて診た「体や健康」についてのお話をしていきます。お気軽にお読みください。
<東洋医学的 健康針断>

コラム寄稿:益井 基 院長
(益井東洋治療院)


 皆さん、こんにちは!
今回は巷で大変話題に上がっている「美容鍼」をご紹介したいと思います。
美容鍼自体は話題になってから、もう数年になりますが、ここの所、頻繁にメディアに取り上げられているように感じませんか?
少し前では1月6日放送の「マツコ会議」、最近では安室奈美恵のインタビューで「最近興味のあるものは?」との質問に対して「美容鍼」と答えておりました。
芸能人の中では、身体のケアとして鍼を日常的に施術されている方は非常に多いのですが、美容的な分野まで鍼灸を取り入れてもらっているようであります。
つまり身体のケアに加え、さらに美容的なところまでもが鍼灸の職域となってきていると言うことですね。
しかし、もともとは「身体の健康の維持・増進=美しさ」でありますから、当然と言えば当然です。
美しさは身体の内面からです!

メディアによく紹介される施術の画像では、まるで針山の様に顔中に鍼をうっているものを見かけると思います。
美容鍼を専門にやっておられる先生の中でも二つに分かれていまして、前述のように非常に多くの鍼をうつタイプの先生と一般的に理解できるくらいの本数の先生です。
両者ともそれぞれの考えの上ですから間違いではありません。
個人的に私の美容鍼の鍼の本数は多くない派ですね。
使用する鍼は0.10㎜から0.18㎜と非常に細く短いものを場所により何種類か使い分けます。
顔の知覚は敏感ですので場所によっては少しチクリと感じる事がありますが、ほとんど痛みはありません。
顔に鍼をうつ美容鍼の一番のリスクとして一番のものは、鍼をうった場所の微量な内出血です。
顔には避けて打つのは不可能というほど多くの毛細血管が張り巡らされておりますが、通常は弾力性のある血管のほうが鍼をよけ出血を回避できます。
まれに「うっ血」があったり、体調が悪いような時には血管にあたってしまい出血してしまう可能性があります。
しかし万が一出血してしまってもごく微量で、早いと3日ほどで、通常は1~2週間くらいで吸収され分からなくなりますので心配はありませんが、出血というリスクを知ったうえで施術を受けることが必要ですね。

 治療の適切な間隔は人によって若干変わりますが、初めは1週間に1回程度で4~6回くらい、その後は2~3週間に1回程度と状態に応じて間隔をあけて定期的な施術を受けるのが良いと思います。
これは皮膚のターンオーバー(肌の新陳代謝、肌の生まれ変わりをターンオーバーと言います)のリズムに合わせたものです。
患者さんの体の状態や生活習慣などで適切な頻度は変わりますので、施術者に相談しながら受けるのが良いと思います。

 顔の知覚神経は脳神経の中でも最大の三叉神経が支配しており、表情筋は顔面神経が支配しています。
つまり顔に鍼をすることにより、脳神経支配領域の広い範囲で刺激されるということになります。
これが「頭がすっきり」したり、「目がはっきりと見える様に」なったり、「自律神経が安定したり」などと治療による改善効果の理屈なのであります。
美容的な側面だけでなく、健康になるための治療の選択肢の一つとなり得るのです。
美容鍼は女性の美容に特化した鍼と思われがちですが、仕事でストレスを感じている方やデスクワークで眼精疲労のある方など男性にもぜひ、受けてもらいたい治療法の一つとなっています。

今まで鍼の治療を受けた事のない人にとっては、顔に鍼をするという事は非常に不安を感じることだと思います。
疑問・不安や施術の内容・料金など詳細は遠慮なく最寄の鍼灸治療院へお問い合わせください。

益井東洋治療院 http://www.masui-toyochiryo.com/kamoku/美容鍼灸