食の総合商社㈱アキヤマ三代目代表取締役に小林周平氏就任
就任披露宴・祝賀会 第53回業務用食材・機器フェア総決起大会も
株式会社アキヤマ 業務用食材・関連機器販売・宅配事業
●北斗市東前3-41 TEL0138-77-7491 https://www.akiyama-fs.co.jp/
戦後の面影を色濃く残す函館で、昭和23(1948)年5月、秋山始一(もとかず)氏が若松町で開業した製菓材料店に始まり、扱い商品を冷凍資材のほか、ショーケースなど食品機器の販売に広げ拡大発展。二代目社長・小林久周氏により規模を拡大して今日まで続く業務用食材・機器フェア。さらに時代の要請にいち早く応えた治療食・介護食の展開など、業務用食材・関連機器販売、宅配事業を網羅する食の総合商社として函館・道南を代表する株式会社アキヤマの三代目社長に小林周平氏が就任。10月7日夜、花びしホテルを会場に就任披露・祝賀会を開催した。 「メディカルページ函館・道南版2024年冬号」(令和6年11月20日発行)の冊子に掲載された記事です。 |
祝賀会には㈱アキヤマ社員のほか、翌日に控えた第53回の業務用食材・機器フェア2024の決起大会も兼ねフェア出展企業77社から114名の担当者が出席した。
席上、三代目㈱アキヤマ代表取締役社長として、就任挨拶に立った小林周平氏は、冒頭、北陸地方石川県能登半島の豪雨被害者に見舞いの言葉を語った後、就任祝賀会と併せて翌日のフェア決起大会も盛大に開催できることに参会者にお礼を述べた。
歴史あるアキヤマを背負うのは身の引き締まる思いと話す小林周平新社長は、これも背中を押していただけるみなさま方のお陰で、この場に立たせていただいていると話し、創業者の秋山始一氏、さらに今回代表取締役会長に就任した父であり二代目の小林久周氏へと続くアキヤマ発展の歴史を紹介。
「三代目の私がこの偉大な先輩の背中を見て、何ができるのか考えました。やはり、社員の先頭に立ち、何事も率先垂範して、現状に満足することなく行動することではないかと考えております。ご参会のみなさまのご協力をいただきながら、アキヤマを盛り上げ、函館の町に、道南、北海道、日本へ恩返ししていく」と決意の言葉で結んだ。
新社長への期待続く来賓祝辞
続いて来賓の森永乳業北海道株式会社代表取締役社長・山鹿宏孝氏が小林久周氏の会長就任、周平氏の社長就任に祝辞を述べたあと、翌日のフェアにふれ、「先ほど社長が現状に満足せずというお話をされましたが、私たちも今までのやり方に満足せず、厳しい環境の中で高付加価値の提案、商品単価のアップと質の向上、さらにサービスの向上に繋がるような提案をして参りたい」と話し、「100年、200年と益々の隆盛を築かれること、明日の展示会の大成功を祈念します」と挨拶した。
また、東亜商事株式会社取締役・持丸 祐氏も来賓祝詞に立ち、「第一印象は、非常に物静かな品のいい方、将来後継者となる覚悟を持っていらっしゃる方だと感じました」と、16、7年前、小林周平新社長に初めて会った時の印象を話した後、「何かの記事に新社長の小学校の時の将来の夢として、お父様の会社に勤務したいと載っておりました。その頃から後継者としての自覚が芽生えていたのではないかなと思っています。どうか周平社長も立派な会長を引き継ぎ、和久常務と力を合わせて、新たな社内改革、販路の拡充を目指していただきたいと思っております」と述べた。
出席者を代表して㈱アキヤマ常務取締役・小林和久、また㈱アキヤマ社友会・江口幸司会長から新社長に花束が贈られたあと、四国の愛媛から飛行機を乗り継ぎ5時間かけて出席した大黒工業㈱代表取締役会長・石川忠彦氏が乾杯の発声に立ち、年も近く似たような環境で会長との付き合いの長いことからのご指名かと思うと前置き、「昔から大体三代目で潰れている会社が多いと思います。ただ先ほど新社長の立派なご挨拶をお聞きして、絶対大丈夫と思っています。会場には弊社の三代目も来ておりますが、父親というのは息子に追い越されることが一番嬉しい。お父様もそれを大きく望んでおられると思います」と話し、㈱アキヤマの発展と新社長の活躍を祈念して杯が上げられた。
小林久周会長が謝辞
小林和久常務の司会によるお楽しみ抽選会には、久周会長も贈呈役として飛び入り参加。さらに周平新社長へのお祝いのテーブルスピーチと宴が盛り上がるなか、㈱アキヤマ代表取締役会長・小林久周氏が、お礼の言葉に立ち――
「新社長が長男でございます。二男が常務の和久で10歳下にいます。長男が10年、20年やって二男にバトンタッチが理想です。大勢の人がお祝いして頑張れよと。だから本当に自分の信じたとおりにやって欲しい」と新社長に語りかけた後、会長として――
「親としては本当に喜んでおります。会長としてはこれからも、みなさま方のご支援を宜しくお願いしたいと思います。私は平成4年4月より33年の長きにわたり社長職を務めさせていただきました。山あり谷あり、本当に馬車馬のように動いたものです。これからはやり方を変えないとなかなか成長はできません。やはり先達が築いた暖簾をいかにして、何が一番アキヤマは強いのかということを紐解いて、この強みを倅とともに広く深く、お客さまに伝えて参りたいと思います」と話しながら、出席した同社の根本琢巳部長、永井康夫次長、岡本幸司次長について、59歳を筆頭に3期続く函館西高校の卒業生と話し、現在と同じように人手不足に悩んでいたと当時の思い出を紹介。
「昔は新卒者もおらず、このままでいけばアキヤマはおかしくなる。仕事よりもとにかく人だということで、私は西高の門を叩きました。進路指導の先生にお願いして、毎年1人でいいから、生徒をアキヤマにぜひ入れて欲しいと。私が社長になっても社員がいなくなって、会社は潰れてしまうと嘆願しました。いい先生でした。分かりましたと根本を一番。二番が永井、三番が岡本と3人が揃ったわけでございます」
企業は人なりというが、社長の資質は一番大切。先頭を切ってがむしゃらに働くのが社長。社員は親と一緒で社長の背中をみて育つと話す久周会長は、企業が何をするかを明確に社員に伝えて、今あるのは会社があるから。まず会社を立派にする。あとは景気とマーケットの大きさによって決まって来ると話し、3人には見事一生懸命やってもらったと話した後、77年の歴史でアキヤマは毎期定年退職者を7名輩出している。この7名に3名が加わって、3年後は10名。新卒から働きづめで10名というのは道南ではなかなかないのも、それだけ企業が存続するのが難しいからと続けて――
「本日、この3名を称えて、みなさま方のご支援をいただきながら、いい会社をつくっていきたいと思っております。周平新社長も素晴らしいあいさつをしました。二男の和久も出番は少なかったですが、抽選会で盛り上げました。これはすべて先人、先達が築いた暖簾です。これからも2人が力を合わせて、そして3人の方々がスクラムを組んで会社を盛り上げてくれるものと思います。
それには本日ご臨席のみなさま方のご理解と厳しい激励の言葉、注意してもらうことは必要です。有頂天になることは許されません。質素倹約、一人一人が力を合わせることが大切です。みなさま方のご厚情とご支援を本当に一生懸命背負って歩みます。どうぞこれからもご支援ご指導を宜しくお願い申し上げます」と謝辞を結んだ。
三本締めでアキヤマの発展を祈念
新社長の就任披露宴・祝賀会では、トナミ食品工業㈱代表取締役社長・利波英樹氏が、昭和58年にアキヤマさんから受けた冷凍イカソーメンの提案が、当社の主力商品である『いかそうめん』のはじまりとのエピソードを紹介。
「函館は今、朝食戦争といって、各ホテルで朝のバイキングに工夫しています。必ずいかの刺身は出ていると思います。ほとんど私どもの商品です。当然アキヤマさんを通じて私どもにたくさん注文がきます。明日の朝は食べ放題ですので、ぜひ宜しくお願いいたします」と会場を沸かせた後、「私どもスタートした時はピンチでした。ピンチからチャンスは生まれます。久周会長はまさにピンチを選んだ。底辺からは昇るしかありません。周平社長の前には大きく明るい前途が開けていると思っております」と話し、三本閉めで閉会した。
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