食の総合商社㈱アキヤマ三代目代表取締役に小林周平氏就任
㈱アキヤマ第53回業務用食材・機器フェア2024開催
”新時代、高品質、高付加価値に対応する新メニュー”をテーマに㈱アキヤマが令和6年10月7日、「業務用食材・機器フェア2024」を開催した。53回目となった今回のフェアは㈱アキヤマの恒例イベントだが、小林周平氏が社長に就任して初めての開催。函館流通ホールの会場には、多様な食材と関連機器のメーカーが出展。地元の製菓・製パン、外食業界、ホテル、病院など多数の関係者で賑わった。
見せる展示会ではなく売るのがアキヤマの展示会
フェアの開催を前にアキヤマ社員と出展各社の担当者による朝礼が、㈱アキヤマ小林和久常務の司会で行われた。冒頭、あいさつに立った小林周平社長は、前日の搬入準備から自身の新社長就任披露会と併せてのフェアに向けての決起大会に参会した出展各社の担当者に感謝の言葉を語り、改めて創業77年の㈱アキヤマの看板を社長として引き継ぐことになったとあいさつ。
「先代の小林会長から、利は元にありと教わってきました。仕入れ先さまがあるから、私どもが存在できます。今後もみなさまの価値ある商品を紹介していきたい」と話し、末永い協力を出展企業に呼びかけた。
物価、固定費の高騰により、食品の価値が高まっている昨今の経済状況は、業務用食品業界にとっては逆に喜ばしいこと話す小林新社長は、「6月期決算は売上高、純利益とも対前期比よりアップしました。これもみなさまの商品がさらに価値ある商品となって、お客さまに受け入れられた結果。アキヤマのフェアは見せる展示会ではなく、売る展示会」と話し、「お客さまはみなさま方の価値ある商品を求めて来場されます。ぜひ価値ある商品をPRし、販売していただきたい」とあいさつした。
小林社長による㈱アキヤマの社員紹介に続いて、大黒工業㈱石川力也代表取締役社長が出展した関連商社を代表してあいさつ。
そのなかで石川社長は、「弊社は紙おしぼりや紙ナプキンなど食べ物以外のもの製造や仕入れ、販売をしております。包装資材も昨今価格が上がり、その価格に見合うだけの価値をお客さまに提案しなくてはいけません。値段は高いですが付加価値をつけました、環境にいい素材を使ってつくりましたとお客さまに提案しますが売れません」と話し、その理由はユーザー求める価値と提供する価値にズレがあるためとして、「そういうズレを修正するのが、お客さまに直接来ていただけるこういう会」とフェア開催の意義を語り、このような展示会の開催は減っているが、創業77周年のアキヤマは、100年、200年と続けていただきたいとしたあとで、「新社長就任の最初の展示会でございますので、大成功のうちに終わりますことを祈念いたします」とあいさつした。
㈱アキヤマ根本琢巳部長が連絡指示事項を告げ朝礼を終了したあと、フェアの開催となった。
ベーカリー向けの講習会も
会場ではブースごとに各商社が自慢の商品を展開。またクリスマス向けオーナメント、パッケージ紹介、オードブル向け新商品、売れ筋コーナーなどアキヤマによる紹介コーナーも用意。食品関連機器や給食向・クリスマス行事食予約販売、全病食協同組合の専売品紹介など、例年のこの時期のアキヤマならではのフェア展示が来場者を集めていた。
また、ミヨシ油脂と木田製粉のブースでは、1級パン製造技能士・製菓衛生士の資格を持つフリーベイカー西山重明氏によるベーカリー向けの講習会が開かれた。JAいばらきポケットファームときどきパン工房でのパンづくりでも知られる西山氏は、海外も含めて全国各地で地域のパン屋さんを集めて講習会を開催。今回は西山氏の提案から、参加したパン屋さんの質問に答える形で講習が行われた。
最近は韓国で流行したパンが日本に紹介されて流行しているが、韓国では世界各国のパンをつくれる職人さんは少なくて、日本から技術者を招き入れて教わっており、自分も韓国で講習していると話す西山氏は、ピンクや青の色の粉を使ったり、レインボー柄につくったパンなどはインスタ映えして流行し、日本に逆輸入されているとパン事情を説明。
「今は人手不足ですが、こういう材料を使えば、一人でもつくれるという指導もしています」と、ミヨシ油脂と木田製粉の商品を使ったパン作りのレシピも紹介した。
(取材日:2024年10月7日・8日)