ターミナルケアと看取りの場としての介護医療院
外来は内科・小児科・歯科のクリニックに転換
●社団医療法人 尚仁会 介護医療院 竹田病院 内科・小児科・歯科 竹田クリニック 竹 田 公 一 院長
函館市元町29番21号 介護医療院TEL.0138‐26‐5812 内科・小児科TEL.0138‐26‐5811 歯科TEL.0138‐26‐5813
 一貫して地域に根差した医療を進めてきた竹田病院は、創業95年目の本年４月から、病棟部門を介護医療院 竹田病院に転換。さらに外来は昨年10月に新設した歯科を加えて、内科・小児科・歯科の３科から成る竹田クリニックとして新たな地域医療に邁進している。竹田公一院長に介護医療院への変遷とともに外来の医療体制について聞いた。
「メディカルページ函館・道南版2019年夏号」(令和元年6月10日発行)の冊子に掲載された記事です。 |
介護医療院までの流れを教えてください。
■竹田公一院長(左)と竹田豊彦副院長
日本では核家族化や高齢化社会の進展により、ご家族での介護が難しい高齢の患者さんの入院、いわゆる社会的な入院が多くなってきたことから国は平成５年に長期入院と医療提供が可能な療養型病床群を創設しました。平成12年からは介護保険制度がスタートし、翌年には療養型病床群が、医療の必要性が高い医療療養病床と必要性が低い介護療養病床に二分されました。
高齢者医療をしている立場から、国の方針は社会のニーズということで、それに従いつつ新館を建て増しして、介護保険ができたときに改築して、介護療養病床にしました。
しかし、医療と介護の療養病床は、いずれもほとんど差がないという調査結果を受けたことから、医療は医療機関で、介護は介護機関で区分する方針が定められ、平成18年に介護療養病床の廃止方針が決定しました。
厚生労働省は廃止する介護療養病床の受け皿として、介護療養型老健施設を創設しましたが、その転換が進まず、結果として介護療養病床の廃止が延期されてきたなかで、次の受け皿として創設されたのが介護医療院です。
介護医療院の特徴は何でしょうか。
■大正13年創業当時の竹田病院
竹田病院は95年の歴史がありますが、病院のベッドの流れも、こうした時代背景と同じで、当初の普通の入院床から、60床の介護療養病床に転換してきましたが、これまでが医療のベッドだったのに対して、介護医療院のベッドは介護のベッドで、療養病床には欠けていた生活環境を重視していることが大きな変化です。
具体的に何が変わったかというと以前は1人6.4㎡だった患者さんの専有面積を介護医療院として必要とされる8㎡に広げました。院内のスペースに余裕があったので、ベッド数は、そのまま60床を確保出来ました。
お一人ごとにカーテンで仕切っていたものをパーテーションのようにしっかりした仕切りにすることで多床室でも個室の感じを強調して生活環境的な要素を取り入れています。それと患者さんにも介護するスタッフにもいいということでベッドはすべて電動ベッドにしました。
また全室に冷暖房のエアコンと換気扇も入れました。介護度の重い方が多いので、生活環境の快適性まではお分かりにならないのかも知れませんが、ご家族の方に生活環境が良くなったと感じていただければと思います。
介護度5までのうち、在所者平均4.7度とかなり重い介護度の人たちが入所していますから、サ高住や老人下宿ではできないような経管栄養や喀痰吸引、糖尿病のインスリン療法や寝たきり状態の方も多いので肺炎を起こした際の対処もあります。お風呂も全員が介助入浴、排泄物のお世話まで介護します。
介護と医療と住宅のような生活環境ではあるけれども、入院されているのは介護の高い方で、退院されてご自宅に帰られる方は、ほとんどいません。ターミナルケアと看取りの場を提供することが介護医療院ということになるのかと思います。
外来部門の竹田クリニックの診療について教えてください。
大正13年に創業した時から、今の場所で当時の内科・小児科を標榜していました。
現在、院長の私が内科。内科は専門性を問わずに広く一般内科を診療しており、かかりつけ医としての役割も担っています。副院長の竹田豊彦は小児科。小児科は小児科一般診療と健診及び予防接種の推進に力を注いでいます。これからも安心・安全をモットーに、地域に根ざした医療を提供していく所存です。
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（取材日：2019年4月23日）
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