ハンデを持つ子どもたちが集う療育の場2

放課後等デイサービスって何?

各放デイで提供するサービスには違いがありますか?

大きく分けると、療育型・運動型・学習型・アットホーム型になるかと思います。

療育型では、OT(作業療法士)やST(言語聴覚士)などの専門のスタッフが居るところもあり、一人ひとりの特性に合わせたカリキュラムで、子どもの発達支援に特化した取り組みを行っています。運動型では、体操やリトミック等をメインにしているところがあります。また、学習塾のように勉強に特化しているデイや家庭的な雰囲気のデイもあるようです。

自治体からも具体的にこういうサービスを提供しなさいという指示はありませんので、提供できるサービスの幅が広いということになります。

放デイは特に立派な設備も要りませんし、職員も10人も20人も必要ありませんから、民間の異業種からでも参入しやすい事業です。中には明らかに営利目的で、サービスの質は二の次。ずっとDVDばかり見せている放デイも全国的にはあるそうです。

放課後等デイサービスあすも北浜でのミーティング

国は異業種を参入しやすくして、競争によりサービスの質を高めようとしていますが、むしろ逆です。福祉の考え方や理念の無い事業所が増える事で、質は悪くても給付費は増大する。それを国は抑制するという悪循環になってしまいます。今、放デイはそういう状況になりつつあります。

そういった状況の中、放デイの人員配置基準は厳しくなって来ていて、以前は無資格の職員だけでも良かったのですが、今は保育士と障害福祉サービスで2年以上の実務経験のある者、もしくは児童指導員の組み合わせで2人は常勤することが決められています。

また、函館市では昨年4月からは函館市内で放デイを新規で始める場合、市との協議が必要となりました。函館市から許可を受けた後に道に申請するということで、放デイに総量規制がかかったという事になります。

放デイを利用するための手順を教えてください。

いろいろなケースがありますが、基本的には各市町村が窓口になっていますから、利用希望者がどこの放デイを利用したいということで申請する形になっています。

どうしたらよいのか悩まれているような場合には、お住まいの地区の行政や保健師さん等に相談しながら判断していくケースもあります。いずれにしても利用申請先は、お住まいの各地方自治体です。

放デイを利用できる日数、月の支給日数という表現になりますが、これも保護者の方と相談して、お子さんやご家庭の状況を考慮した上で、自治体がそのお子さんが月に最大何日まで放デイを利用出来るのかというのを決定します。そして申請を行った各市町村より受給証が交付された後、放デイを利用出来るというようになります。

一日の利用定員はそれぞれの事業所で設定していますが、ほとんどは1日10人の定員だと思います。

みなさんは、どうやって利用する放デイを決めているのでしょうか?

見学をして決めるという流れが一番多いかと思います。まず利用前に保護者の方がお子さんと一緒に放デイの事業所を見学して、その中からお子さんに合ったところを選択する。

短時間の見学で、どれくらい分かるのかという問題もありますが、まずは見学して事業所の方針や雰囲気。そして職員とお子さんとの関わりの様子などをご覧になって決めて、市に申し込むという形がほとんどだと思います。

サービス提供時間や送迎エリアは、どうなっていますか?また利用を始める時期は決まっているのでしょうか?

部屋の中をパーテーションで区切り、児童が集中しやすい環境となるよう配慮している (あすも北浜)

通常、学校がある日は学校が終わる時間に学校までお迎えに行きます。サービスの提供時間は各事業所によりますが、学校がある日は放課後から夕方5時くらいまでというのがほとんどだと思います。

送迎エリアも事業所によって変わって来ます。中には函館市内の事業所に北斗市から通っていらっしゃる方もいます。営業は月曜から土曜日までのところがほとんどですが、日曜日や祝祭日も営業している事業所さんもありますね。

利用については事業所と利用者との契約ですので、利用相談の上条件がそろい次第契約書を交わし、正式に利用開始という流れになります。

最後に放課後等デイサービスあすもについて教えてください。

あすもは現在、亀田本町と北浜町の2か所で運営していますが、休止していたあすも日吉も今年3月から富岡町に移転して再開する予定です。

当事業所では一人ひとりのお子さんの特性に合わせて1日のスケジュールを考慮し、基本的にはそのスケジュールに沿って、それぞれのお子さんが活動を行っています。

児童が、どの部屋でどのような活動を行うのかがわかりやすいようイラストや文字等で伝える工夫をしている(あすも北浜)

発達障害のお子さんの多くは、いつ・どこで・なにを・どのくらいやるのか?先の見通しが分からないことで戸惑いや不安を感じています。スケジュールや手順書などその日の予定を目に見える形で伝える事で見通しが持て、不安や混乱が少なくなり、切り替えもスムーズにしやすくなります。また、スケジュールだけではなく、いろいろな活動の場面において、言葉だけで伝えるのではなく文字やイラスト、写真や実物等をお子さんの様子や状況に合わせて用い、どこで何をするのか等をお子さん一人ひとりが理解できる形で伝えるようにしています。

活動内容としては、事業所内で個別の自立課題に取り組む時間を設定したり、一対一や数名でのゲーム遊びなどを行ったりしています。そういった活動(主に遊び)を通して、少しずつわかることやできることを増やしたり、人と関わり方を学んだりできるようにしています。他にも、函館市内外の公園や公共施設、児童館等、屋外での活動も積極的に行っています。広い屋外の公園で活動する事で、成長に必要な体力や運動神経を養ったり、公共の施設を利用する中で様々な場所でのルールやマナーを学び社会との交流を図ったりすることができると考えています。

大切にしていることは、出来る限り「肯定的に伝えること」です。発達障害のお子さん達は、特性を「自分勝手」「わがまま」などと捉えられてしまい「困った子」「怠けている」と批判されてしまうことも少なくありません。失敗したり注意されたりする経験をしている子が多く、その影響で自己肯定感が低いお子さんが多くいます。あすもでは「ダメ」「~しない」等の否定的な言葉はできるだけ避け、今やるべきことを「明確に。肯定的に伝える」ことでお子さんの望ましい行動を増やし、小さなことでも「褒める」「認める」事で成功体験を多く積んで自己肯定感を高めていけるように心がけています。

集団で活動することも勿論ありますが、集団での活動が苦手なお子さんもいらっしゃいますので、基本的には個人で活動する時間が比較的多いのが大きな特徴だと思います。そうして落ち着いて安心して活動できる状態から徐々に小集団。そして集団での活動というようにスモールステップを踏みながら、最終的には社会に出て自立した生活が出来るようお子さんの成長のお手伝いをしていければと考えています。

放課後等デイサービス あすも北浜:函館市北浜町5-11 TEL:0138-87-2593  (運営:株式会社ハーブ・ゼーリヒカイテン) 

 

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