第23回 「ラジオ体操のすすめ」

toyo_doc「東洋医学的 健康針断」では、年4回、益井東洋治療院の益井院長が、現代西洋医学とは、少し視点を変えて診た「体や健康」についてのお話をしていきます。お気軽にお読みください。
<東洋医学的 健康針断>

コラム寄稿:益井 基 院長
(益井東洋治療院)


皆さんこんにちは!
暑い日があまりないままに夏休みになってしまいましたが、天候が回復するといいなと思いながら朝のランニングをしている今日この頃であります。いつものコースを走っていると、ところどころの公園でラジオ体操をやっています。
夏休みに入ってから子供たちも早起きをして体操している姿を見るようになりましたが、やはり子供の姿はそんなに多くはないですね、、、少し寂しい気がします。しかし年配の方は、自分の健康をしっかりと考えているのでしょう、たくさんの方が集まり毎朝、楽しそうに体操しています。

最近では巷でもラジオ体操が見直されてきて、ある意味、ブームのようになっているようですね。大変結構なことで、25年も前からラジオ体操を勧めてきた私にとったら、ようやく皆さんに分かってもらえる時が来たかという心境です(笑)
では、改めてですが、なぜラジオ体操がそんなに体に良いのでしょうか?
今回はそんな話をしたいと思います。

ラジオ体操の始まりは?

日本のラジオ体操の源流は、1925年にアメリカで考案されたものを基に「国民保健体操」の名称で始めたものであります。当時の振り付けは郵便局員が全国に周知したとされています。
そんな歴史の古い体操ですが、ラジオ体操第1は「老若男女を問わず誰でもできることにポイントを置いた体操」ということで考えられており、全身を効率よく、伸筋側も屈筋側も動かせるように、たいへん上手に作られているのです。
ゆえに80年以上も経過した現代でも愛され継続されているのですね。

なぜラジオ体操が効果的なのか?

今や体操の選択肢はごまんとある中で、なぜラジオ体操なのか?
勿論、子供の頃から慣れ親しんできたということはありますが、運動生理学的に効果が立証されたということによると思います。
先ずはどういう状態になると肩こりや腰痛が発症すると思いますか?
例えば
①「重いものを持つ」
②「長い時間同じ姿勢を取っていた」
③「睡眠不足が続いていた」
④「精神的なストレスが大きい」
⑤「胃腸の調子が悪い」
などなどの要素がいくつか重なればかなり要注意の状態です。

一般的にはここから2~3個の要素が重なると高い確率で痛みが発症します。
これらの要素では、どれもほとんど同じ様な体の変化が体の中で起きています。
それは部分的・局所的な筋肉の過緊張状態であります。
筋肉は疲労が蓄積されたり、ストレスにより自律神経のバランスが崩れたりすると、硬く柔軟性がなくなってきます。①~②は疲労の蓄積によるもの、③~⑤は自律神経的なバランスの問題です。

これらの原因で起きた部分的な筋肉の過緊張状態は、全身の筋肉をバランスよく、酸素を体に取り入れながら動かす事により回復してきます。
腰が痛いから腰だけ、頸肩が凝ったり、張ったりするから頸肩背部だけというのは、効果が薄いのです。
全身の筋肉を、屈筋・伸筋を同じ様に、たくさんの酸素を体に取り入れながら動かす事が自分でできる最善の方法で最もすべき事なことであります。
それを行うことのできる選択肢としては「ラジオ体操」が効率的で、考えつくされており、しかも多くの人が知っているという理想的の体操であるということなのであります。

自律神経的な作用

筋肉に酸素を送り、疲労性物質を蓄積させないためには、屈筋側も伸筋側もどんどん血液が流れ、代謝が活発に行われている必要があります。この血液を循環させ、酸素を供給しているシステムをコントロールしているのが、自律神経なのであります。
朝少し早起きして、テレビと共にラジオ体操をしたり、仕事の始まりや最後にラジオ体操をすることは、間違いなく自律神経が安定しやすい生活習慣となりうるでしょう。


皆さん、ぜひラジオ体操を思い出し、決まった時間に行ってみて下さい。
高いお金を出してアスレチックに通うのと同程度の効果が期待できます。
ラジオ体操で自律神経を安定させ、疲労を回復させて、健康的で楽しい人生、生活を送ってください!

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