健康な時も治療中も生き生きとした生活を!

アピアランスサロンと美容室で応援するパサージュ

美容室パサージュ代表 久末 智光
株式会社Passage代表 久末 結佳
美容室パサージュ 函館市石川町350番地21
アピアランスサロン 函館市田家町12番16号 TEL 0138-46-8023

clm_passege_160602_08clm_passege_150413_2抗がん治療などで医療用ウィッグや補正下着などを必要とする人たちに実際に目で見て試着できる「アピアランスサロン」を昨年8月、田家町にオープンした(株)Passage代表の久末結佳氏。ご主人で石川町の美容室パサージュ代表の久末智光氏は、オリジナルの医療用ウィッグを一人一人に合わせてカット、制作してくれる美容師としての専門知識と高い技術をお持ちです。外見を整えることで治療中でも積極的に生き生きと生活して欲しいと願うお2人にお話をお伺いしました。


「メディカルページ函館・道南地区平成27年度版」に掲載された記事です。内容は掲載時のまま表記しています。

 

(株)Passageの久末結佳近年代表は昨年8月、田家町にアピアランスサロンを開設しましたが、ご利用の方はいかがですか?

お陰さまで乳房の手術をされて、間もない方や術後10年以上経過した方まで、たくさんの方に来ていただいています。術後間もない方は、体に負担の少ない下着や、これからの生活のために準備されるパッドやプロテーゼ(人口乳房)のご相談が多く、術後、長期間経過した方は、今現在使用されているパッドの不具合や、補整、使い心地などへの違和感をお持ちの場合のご相談やお買い替えが多くなっています。これまで函館には、専門のサロンがなかったことで、ご不自由を感じていらっしゃった方にも、地元にあるので心強いとご好評をいただいております。

サロンで扱っている乳がん術後用の下着やパッドについて教えてください。

術後間もない時期から、傷が落ち着いてからつける下着やパッドまで様々な種類があります。どれも体に負担のないように選びぬかれた素材や、信頼できる製造や縫製のものを扱っています。特に創業120年のドイツのアニタ社のプロテーゼ(人工乳房)やケアブラジャーは、ドクターが設計し、ベテランの職人の手により、厳重な品質管理のもとに製造されています。骨格や体形にフィットした自然なつけ心地で、世界的な評価を得ていますので、安心してお薦めできます。ご購入された方は、優しいつけ心地と、綺麗な補整で大変ご満足いただいております。術前の体形に戻ったようだと涙を流して喜ばれる方もおいでになります。
乳房の摘出手術を受けられた方の中には、女性としての自信を失いかけたり、薄手の洋服を諦めたり、軽すぎるパッドで体型に変化が出たりと、多くのお悩みをお持ちの方がいます。また、リンパ節を摘出(腋窩リンパ節郭清)した方には、リンパ浮腫を心配される方も多く、正しい下着やパッド選びは、ご自身の心や体を労り、守るための知識としても、とても大切だと思っています。また品質やつけ心地を確かめていただくためにも、試着は大切ですので、専用の試着室もご用意しています。

医療用ウィッグについて教えていただけますか?

医療用ウィッグは、乳がんなどがんの化学療法による脱毛だけでなく、脱毛症のため長期間使われる方もいらっしゃいます。現在ウィッグの主流は、人毛と化学繊維が混ざったミックスといわれるもので、アクリル系やポリエステル系の化学繊維が使われていますが、摩擦に弱くて、静電気が起きやすいという弱点があります。
そのため当社では、人毛(100%)も扱っています。人毛は、摩擦や静電気に対応し、若い方ですと、編んだり、ピンで留めたり、帽子をかぶったり、自由にお使いいただけます。
特に脱毛症で長期間使われる方には喜んでいただいています。
ただ、人毛といっても質の悪い人毛もあります。洗うとクセが出てしまったり、常にブローしなければならないものもあります。当社の扱っている人毛はキューティクルを残して消毒だけした人毛を使っています。洗っても真っすぐに戻るので扱いやすいとご満足いただいています。価格的にもかなり抑えています。

美容室パサージュの久末智光代表は、医療用ウィッグのスタイルを作られているのですね。

私は医療用ウィッグを扱い始めて10年以上になりますが、5年前から当社オリジナルのウィッグを使っています。スタイルが出来上がったものではなく、何もカットしていないものを使っています。それをお客様のご希望に合うようにご相談してスタイルをつくります。生え際、もみ上げにおくれ毛もつくります。風が吹いたときや、髪を耳にかけたときなど自然に見えるようにこだわっています。
医療用ウィッグは、抗がん治療が始まる前につくることをお薦めしています。治療が始まると大体2週間くらいで脱毛が始まりますが、髪のあるときは、極端にいうと髪の上にウィッグが乗っている感じがします。脱毛が始まると頭のサイズが2センチから3センチほど小さくなりますので、ウィッグが頭に深く入ることになります。そうした治療前後の髪の増減を考えてウィッグをおつくりするのは、経験が必要になります。
髪が無くなったときを想定して、ある程度形はつくりますが、最終的には髪の毛が抜けてから調整させていただいています。
それでも、ウィッグをつけて生活されていると、前髪がもう少し短い方がよいとか、サイドが顔にかかって邪魔になるなど、細かな部分が気になってきたりもします。そのため当社は、一年間ウィッグの調整カットを無料にさせていただいています。売り放しではなく、何度でも足を運んでいただいて、細かい部分をつくり上げていく形をとらせていただいています。

治療後に自毛が生えてきた時は、どうすれば良いのですか?

女性の場合、もとのご自分の髪型に戻るまで長い期間ウィッグを使わなくてはなりません。治療後に髪が伸びてくると、クセ毛だったり、白髪が増えたり、前髪の伸び方が遅く、襟足とのバランスが悪かったりと色々な悩みが出てきます。そういった悩みにも一つひとつ丁寧にお応えしています。頭髪や毛髪、育毛などのお悩みにも、毛髪技能士(久末結佳氏)が個室で対応しています。

治療中の外見変化に悩む方は、一度ご相談されてみることですね。ありがとうございました。
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■田家町のアピアランスサロンには試着室(写真左)もあり、補正下着(写真中央)などの試着や購入も可能。また、石川町の美容室パサージュは、個室(写真左)も用意しています。

(取材日:平成27年4月13日)

株式会社Passage代表 久末結佳 様 平成30年1月5日志半ばでご逝去されました。


株式会社Passage
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