広く患者の要望に応えるクリニック開院 一次予防基本に侵襲的治療の二次予防も

 尾崎循環器内科クリニック 尾崎 文武 院長
函館市赤川1丁目1番1号 TEL.0138—83—8558 URL https://ozaki-ccl.com/

11月2日、赤川通に開院した尾崎循環器内科クリニック。 良医を目指したいと話す尾崎文武院長は専門の循環器に限らず、広く患者さんの要望に応えるクリニックと、その特徴を話しています。


「メディカルページ函館・道南版2020年冬号」(令和2年11月16日発行)の冊子に掲載された記事です。

 

■尾崎 文武 院長

クリニックの特徴を教えてください。

 漠然としたいい方ですが、私は良医を目指しています。学生時代にカテーテル治療の指導を受けた恩師に「お前はどういう医者になりたいんだ」と聞かれて、答えに詰まっていたら、「いい医者になりなさい」とひと言。「何も考える必要はない」といわれたんです。その言葉がすごく印象に残っていて、それからはただ漠然と患者さんのニーズに応えられる良医を目指してきました。総合病院の勤務医ではなく、開業して月曜日から土曜日まで診療に携わることが、一番患者さんのニーズに応えることではないかと思ったのが開業のきっかけです。ですから出来るだけ患者さんの要望に応えたい。それがこのクリニックの特徴だと思います。

先生はカテーテル治療もご専門ですね。

 今までインターベーション、いわゆる心筋梗塞や狭心症の患者さんに対するカテーテル治療を自分の専門分野として大学病院や総合病院で治療に携わってきましたが、函館で診療に当たって、より一層感じたことが一次予防の必要性です。医療の発展にともなって、高齢化社会となった現状の中で、狭心症や心筋梗塞という虚血性心疾患の原因は動脈硬化が関連していることが多いんです。
 寒い地域ということもありますが、塩分やファストフードの過剰摂取で高血圧や糖尿病の患者さんなど、動脈硬化をお持ちの患者さんが非常に多いんですね。昔は人生70年、80年という状況でしたが、医療が発展して、今は元気な80代、90代の患者さんがたくさんいらっしゃいますから一次予防をしっかり。プラス侵襲的な治療が必要になった患者さんの二次予防もしっかりやりたい。
 私の場合、総合病院の外来は週二回。しかも午前の枠だけと限られていましたから、一次予防から患者さんを診ることは中々できない。加えて医師会病院も大学病院も、紹介型の病院ですから、患者さんは受診しづらい。また、循環器という診療科で診ていますから、風邪をひいたとか、お腹が痛いという患者さんは、近くの開業医さんに診てもらうんですね。私は総合内科専門医の資格も持っているので、そうした患者さんのニーズにも応えたいんです。

開業の地に赤川を選んだ理由は?

 私は昭和58年に札幌から函館に引っ越して来たんです。その時最初に住んだのが赤川の公団(現UR函館赤川通)で、小学校時代を過ごしたので、すごく思い出に残っています。どこがいいか見てまわって、一番最初に赤川の物件が目をひきました。それと佐野先生ですね。佐野先生からご紹介の患者さんを診たこともありましたが、先生が亡くなられて佐野内科胃腸科医院が閉院になったので、医師会病院の私の外来に来られた患者さんもいて、この地区の方がお困りの状況も把握していました。ご縁もありましたし、総合的に判断して、こちらで開業しようと決めさせていただきました。

先生のお父様、亡くなった尾崎文夫先生も循環器科の医師でした。循環器科を選んだのはお父様の影響ですか?

 高校時代の恩師が循環器の病気で亡くなったことが循環器を目指した理由です。高校の柔道部で顧問の先生でした。先生の息子さんが医学部の2年生ぐらいのときに私は初めて先生と知り合って、大変お世話になりました。父も柔道をしていて部活の時にはたまに来て、一緒に稽古していたので父も顧問の先生と交流がありました。息子さんが医学部に進んだこともあって、「お前も医学部行ったら」と先生によくいわれていたんです。その頃、私は医学の道は考えてなかったんですが、先生が循環器の病気で亡くなられた時に、いろいろご指導いただいたご恩もありましたから、医学部に行くことを決めて勉強しだしたんです。

循環器科の医師を目指すために医科大学に進んだのですね。

 そうです。医学部に入ってから診療科を決めたんじゃなくて、最初から循環器と決めていました。大学の面接でも何科が志望かと聞かれて、「循環器内科の医師です」と答えて、顧問の先生のことを話しました。
 大学時代に私の2学年上からスーパーローテーションといって、厚労省から救急や小児科や外科、産婦人科とか最低期間中はこれだけ回ってくださいカリキュラムを示されたんです。私が研修した施設では、そういう制度が始まってお試し期間のような状態だったので、1学年上の先輩は希望なしで各科を一カ月順番に回らなければならなかったんですが、私は希望通りの自由選択が可能でした。自由選択の期間は全て循環器(内科、外科)を希望したので、2年間の内の半分くらいは全部循環器を回っていました。

どのような症状の時に循環器科を受診するのが良いのでしょう?

 よくあるのは胸痛、あとは動悸などの症状が多いんですが、足のむくみやめまい、意識がなくなるなどの症状でも循環器に関わる病気が潜んでいることがあります。函館は喫煙者が多いので、呼吸器疾患でも起こり得るんですが、呼吸困難の症状でも心不全が原因のこともあり、こういう症状は循環器に該当すると思います。

クリニックでは、風邪などの症状でも診ていただけますか?

 循環器内科と書いてあるから、循環器の病気しか診ないのかと思われる患者さんもいらっしゃるかも知れませんが、スーパーローテーションや大学病院、総合病院で救急外来もやってきましたし、大学時代はほかの病院の外来も担当して、発熱や頭痛など一般内科の患者さんも多数診てきました。具合が悪ければ、ぜひ一度来ていただければと思います。

場合によっては、風邪などではなく循環器に関わる病気だということもあるのですね。

 そうです。開業医さんから循環器に行ってくださいと紹介状を持ってこられる患者さんから、どうして循環器なんですかと聞かれることもありました。耳鼻科から紹介される患者さんで、一番多い疾患がめまいの患者さんですが、不整脈がめまいの原因になっていることもありますから、循環器科で原因を調べるんですとお話します。
 実際にホルター心電図という24時間の心電図系の検査をしたら、心臓が止まっている時間があって、めまいを起こしている所見だった。そこでペースメーカーを入れたらめまいが嘘のようになくなったという患者さんもいらっしゃいます。ですから、何か体調がおかしかなと思ったら、ぜひ相談してください。

(取材日:2020年10月1日)


尾崎循環器内科クリニック
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