高齢者の脱水症状にも経口補水療法

臨床データが証明するOS-1(オーエスワン)の効果

●業務用食材・資材・機器専門商社  株式会社アキヤマ
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熱い夏に気をつけなければならないのが脱水症状。しかし、感染腸炎や感冒などによる下痢やおう吐などにより季節を問わず脱水状態になることもある。こうした脱水状態を改善する経口補水液オーエスワン(以下OS-1)。介護用・治療食用食品分野にも力を入れている専門商社㈱アキヤマでは施設だけでなく在宅の高齢者に向けた商品として、このOS-1を扱っている。㈱大塚製薬工場OS-1事業部営業部札幌支店リーダーであり、NR・サプリメントアドバイザーの資格を持つ福田親男氏に解説してもらった。


「メディカルページ函館・道南版 2019年夏号」(令和元年6月10日発行)の冊子に掲載された記事です。

 

まずNR・サプリメントアドバイザーについて教えてください。

■福田親男氏

 日本臨床栄養協会の認定資格で、医師や看護師、薬剤師、管理栄養士などの医療従事者や製薬メーカー、食品に携わる職種の者が資格認定を受けています。元々は、消費者に対して保健機能食品やサプリメントについて、専門的観点から個人個人の栄養状態を評価し、適切にアドバイスできる人材の育成を目的として設けられた資格です。
 取得するためには食品や一部医薬品の総合作用、食品衛生法など法律的なことも勉強します。この資格を取ることによって、医療従事者の方との情報の共有に加えて適切な情報提供ができます。私どものアドバイザー事業部では全員資格をとっています。

ではOS-1とスポーツドリンクは、どう違うのですか?

 OS-1は、塩分濃度がスポーツドリンクの2倍、逆に糖質は3分の1くらいで、水分と電解質を素早く補給できるように調整しています。小腸の吸収のメカニズムは甘くてもよくないし、水やお茶だけ飲んでも吸収しない。ナトリウムとブドウ糖、糖質濃度がある一定の比率で存在すると、腸が炎症を起こしていても必ず吸収されるということで、WHOでもコレラ患者を救ったというのが経口補水療法の所以となりました。
 スポーツドリンクは予防的なもの、軽めの運動時の発汗や脱水になる前の水分補給という位置づけです。これに対してOS-1は脱水気味の方、軽度から中等度の脱水症になってしまったときに飲んで頂くことで、これを改善できます。スポーツドリンクや一般の飲料水で改善という言葉は法律に抵触しますが、OS-1は消費者庁から個別評価型病者食品の許可を受けており、効能、効果とか用法、容量が明確にされている商品ですから、改善という言葉を使えます。
 感染性腸炎の病状時の臨床データや熱中症による脱水、高齢者の脱水、腹腔鏡下胆嚢摘出術で腹腔鏡による手技の時に点滴とOS-1を飲んだ時の比較試験もデータを取っています。そうした臨床データから、このマークの表示が許可されています。

■病者用食品のマーク

経口補水そのものは、いつ頃から開発されたのでしょう。

 2000年12月から経口補水イオン飲料として発売しました。当時は厚労省や消費者庁のマークは一切なく、脱水状態での効果も、なかなか言いづらく、なおかつ清涼飲料水ですから、ポカリスウェットと何が違うのかをご理解いただけないこともありましたが、2004年12月に特別用途食品個別評価型病者用食品の表示許可を取得しました。
 もともと開発の経緯は、途上国のコレラ患者。点滴などの設備がないところで、雨水などを飲んでコレラに罹患してしまって、年間多くのお子さんが亡くなっていたのを1970年代に経口補水療法で救ったというのが発端です。日本でも昔はご家庭で小さいお子さんがおう吐や下痢で夜間救急に駆け込んだりした時にすでに手遅れになってしまったこともあり、当初、OS-1を発売したときは、小児科の先生がすごく関心を示されました。
 現在は高齢者でも脱水になられる方が多いということでOS-1を提案しています。

どうして高齢者の方に脱水が多いのですか?

 成人の場合、体重の60%が水分といわれています。高齢になると筋肉量の低下によって、体に蓄える水分が減ってしまい大体50%くらいになってしまわれます。
 高齢者の方は炎天下でもエアコンや扇風機を使わなかったり、女性の方は特に体温調整機構の衰えから厚着をして脱水になってしまうこともあります。いずれも最悪の場合、事故も散見されるので、訪問看護ステーションの先生方などにも在宅の高齢者方にもお勧めていただくようにお話しています。
 スポーツ中に足をつった時は、カリウムなど体内の電解質を補正してくれるOS-1が、お役に立てるのかなと思います。昨年の函館マラソンの時にはドクターからご要望があり救護用に置かせていただきました。

OS-1による経口補水療法の勉強会も開かれているのですね。

 高齢者の方の特養や老健、また病院や開業医の先生、薬局等からご要望を受けています。また、こちらからご提案して、高齢者の脱水や経口補水療法のお話をしています。
 経口補水療法を医療従事者の先生方に遡及しながら、経口補水液が今後、スタンダードになるように。美味しい不味いではなく、脱水で亡くなる方をゼロにしたい。乳幼児から高齢者まで、経口補水液が脱水の役に立つことを目指しています。

㈱アキヤマ 根本琢巳営業部長 ㈱アキヤマ 小林周平常務

経口補水療法の勉強会はアキヤマでもお申込みを受け付ています。
   高齢者施設では入所者の方が夜中に急に熱が上がり、下痢やおう吐がある時などOS-1をとりあえず飲ませて朝まで水分補給するというご利用が多いようです。在宅の方も常備されると救急的にお使いになれると思います。また、アキヤマの店舗ワールドグルメプラザには、OS-1に加えて、高齢者の方の給水用にとろみのついた補水商品も用意しております。

 ごくごく飲むような飲料ではなく、目盛を目安に摂取する商品ですが、実は昨年の地震で断水になったときにアキヤマでOS-1を売っていると、お客さまが買にいらして一時商品がなくなったことがありました。
   本当に一家に必ず常備してもらいたい商品のひとつだと思います。お酒を呑んだ後に飲んでもいいですし、飲む点滴といいますが、健康な方にも、ぜひ飲んでもらって、知っていただくことが必要かなと考えています。

(取材日:2019年4月25日)