ウェルキャブ車 愛用者インタビュー:社会福祉法人 雄心会 複合型施設 「いなほ」

ハイエース スーパーロングワイドボディBタイプ4輪駆動車

函館トヨペット株式会社
函館市石川町169番地35 TEL 0138-46-2111

使い勝手の良さから、福祉の現場で高い支持を集めるトヨタの福祉車両「ウェルキャブ車」。今回のメディカル情報では、2018年4月にウェルキャブ車3台を導入した社会福祉法人雄心会の複合型施設「いなほ」(北斗市清水川1番地1)を訪ね、導入の決め手や使用した感想について聞いた。


※「メディカルページ函館・道南版2018年夏号」(平成30年6月1日発行)の冊子に掲載された記事です。内容は掲載時のまま表記しています。

■社会福祉法人 雄心会 理事長 伊藤 正明さん

福祉車両は様々なメーカーから発売されていますが、トヨタ車を選んだ理由はなんでしょうか。

複合型施設「いなほ」はこの4月に開所しましたが、隣接地にある介護老人保健施設いなほでは、従来からトヨタのウェルキャブ車を使っていたので、使い慣れていたという点がまずあります。また、車にトラブルが起きた際の対応にも満足していました。普通の車とは違い、特にリフト部分などは365日毎日使っていると不具合が生じやすくなるものですが、トヨタ車は比較的故障も少なく、万が一何かあった場合でも、担当者がすぐに対応してくれます。トヨタブランドの安心感ですね。

導入したウェルキャブ車は、普段どのように活用されていますか?

通所サービスの利用者が多いので、その送迎が中心です。車いすのまま乗る利用者を含めて、最大8人で乗ることがあります。また、医療法人は函館新都市病院など、複数の病院を運営しているので、病院を退院して直接施設等に入所される方を病院までお迎えに上がることもあります。

利用者を車いすごとウェルキャブ車に乗せる機会は多いですか。

普段自宅で暮らしていても、下肢が弱っている方や麻痺のある方がいますので、そういった場合に車いすのまま車に乗っていただくことがあります。今回導入したウェルキャブ車は、車いすを2台乗せることができるので、とても便利です。

実際に現場で業務にあたるホーム長にもお聞きします。福祉車両はその性質上、スロープを出したりリフトを動かしたりする、運転以外の操作も必要です。こうした部分の使い勝手はいかがでしょうか。

■ホーム長 吉田 耕司さん(左)と総合事務長 神田 裕行さん

全体的に操作が簡単で、うまく使えていると思います。車内で車いすが動かないようにロックする装置も以前より改良され、とても操作しやすくなりました。毎日何度も動かす部分なので、操作が簡単だと作業効率のアップにもつながります。操作において危険を感じるような部分もいっさいなく、利用者さんも安心して車に乗ってくれています。

もっと便利になればいいと思う部分はありますか?

■「いなほ」で使用するハイエース スーパーロングワイドボディBタイプ4輪駆動車

車いすのまま車内に乗り込めるのはとても便利なのですが、その分車内のシートに座っている人よりも目線が高くなってしまい、車窓の景色があまり見えないという問題があります。車窓から景色を眺めるドライブなどの行事もあるので、窓をもっと上まで広げるなどの改良がなされると、より利用者に優しいのではないでしょうか。
また、利用者を乗せて運転する立場からは、カーナビのモニターで後部座席の様子が見られるようになったらいいなと思います。ルームミラーではお顔しか見えないのでなかなか後部座席の状況を把握しにくいですが、もしどこかにカメラが付いていてモニターでそれをチェックできれば、車に揺られているうちに姿勢が崩れて無理な体勢になってしまうなど、利用者さんの異変にいち早く気付くことができ、安全性が高まると思います。とは言え、運転のしやすさや操作性は現状でも快適です。

●担当者ご紹介●

●函館トヨペット㈱石川店 係長 長谷英美さん
お客様から承りましたご意見やご要望を参考にさせていただき、これからも本部との連携を密にして万全の体制でサポートさせていただきます。

取材協力 社会福祉法人 雄心会   複合型施設 「いなほ」

「住み慣れた地域でその人らしく最期まで」をコンセプトに、ひとつの建物の中に5つの異なる機能を持つ施設を備えた「複合型施設 いなほ」。症状や介護度の変化が生じても別の場所に移動する必要なく、住み慣れた場所で暮らしてもらうことを目指している。

■1~2階のデイサービス「いちほ」(上・中)とデイサービスとしては道南最大級の温水プール(下)

1階は、多機能型自立訓練センター「いちほ」とケアプランセンター「ほなみ」。「いちほ」は障害者手帳を持つ人を対象とした施設で、専門のセラピスト(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)による機能訓練と生活訓練が受けられる。この3職種がそろう施設は、道南でも珍しいという。「ほなみ」は、ケアマネージャーが常駐する介護の相談窓口。本人や家族からの質問や悩みに専門的な観点から対応し、病院や市役所などと連携しながら適切な処置を受けられるように手配を行う。
1~2階の一部を占めるデイサービスセンター「いちほ」は、「自分で選ぶ、自分が決める」をコンセプトにした施設。デイサービスとしては道南最大級の温水プールをはじめとした豊富なメニューの中から、その日の気分や体調、目標に合わせて自由に1日の過ごし方を選べる。運動や訓練だけでは疲れてしまうため、天然温泉やカフェ、シアターなどのんびり過ごせるリラクゼーションメニューも各種用意している。
2階には、北斗市在住者のみを対象にした特別養護老人ホーム「ほあかり」もある。一人ひとりの生活スタイルを尊重するため、居室が完全個室になっているのが最大の特徴。1ユニット10名を生活単位とし、ユニット単位で食事を手作りするなど、「我が家」にいるかのような居心地の良さを作り出す。
3~4階はサービス付き高齢者住宅「花木槿-ハナムクゲ-」。日中は併設のデイサービスを利用でき、買い物バスの定期運行もあるため気軽に外出も楽しめる。駒ケ岳や横津岳を一望できる天然温泉も完備。医療面は函館新都市病院が全面バックアップするほか、併設施設内に医師・看護師が常駐しているので体調の急変などにも即時対応してくれる。

社会福祉法人 雄心会 複合型施設「いなほ」

         北斗市清水川1番地1 TEL (0138)77-8200㈹


(取材日:平成30年4月18日)