第20回 「ジョギングの効果と継続の目安」
「東洋医学的 健康針断」では、年4回、益井東洋治療院の益井院長が、現代西洋医学とは、少し視点を変えて診た「体や健康」についてのお話をしていきます。お気軽にお読みください。
<東洋医学的 健康針断>
コラム寄稿:益井 基 院長
(益井東洋治療院)
ようやく春らしい日差しになってきたこの頃ですが、皆さんはこの良い季節をいかがお過ごしですか?
この数年、全国的にマラソンブームとなっておりますが、9月に開催の函館ハーフマラソンも、定員が今までの倍の4,000人となりましたね。
あんなに素敵なコースを走る事が出来る函館は、全国からランナーが集まるような名レースとなっていくと私は確信しています。
これをお読みの皆さんも、挑戦してみてはいかがですか?
では、ブームとなっている走る事―ジョギングが具体的にどのように体に良いのでしょうか。
ジョギングは有酸素運動の中では「高強度」の運動に分類されます。
この高強度とは、「同じエネルギーを短時間で消費することができる」、あるいは「同じ時間でより多くのエネルギーを消費する事が出来る」と言う事を意味しています。
一般的に、運動は血圧や血糖値の改善などに効果があると医学的には証明されておりますが、ジョギングのように長時間行う事が出来、強度の高い運動は、「善玉コレステロール値が改善する」「内臓脂肪が減り易い」と言う、さらなる効果も報告されています。
つまり継続してジョギングを行うとメタボリックシンドロームの予防や改善が可能であると言えるのです。
また、高強度の運動には体力を向上させる効果があります。
ここでいう「体力」とは、生命活動の基礎となる力を言い、心肺機能や筋力などで評価される力です。
つまり「体力がある」と言う事は、平たく言うと「病気になりにくい」「疲労から回復し易い」と言う事になります。
最近の報告では、高強度の運動を習慣にすると、生活習慣病などの病気を患っている方でも、死亡リスクが低くなるという事が言われています。
ちなみにジョギングとランニングの違いは、色々な要素がありますが、健康を考えて走られる方であれば、スピードの違いととらえていいと思います。
ジョギングは、一キロメートル走るのに、8~7分、ランニングは、6~5分位となります。
ランニングは、ジョギングと比較してさらに高強度の運動となります。
フルマラソンを完走すると、3~4万歩、それだけの衝撃を地面から受ける事になります。
継続してジョグやランを行えれば、間違いなく内科的には良い効果があるのですが、気をつけなければスポーツ障害を起こしてしまいます。
人間とは不思議なもので、辛いのをしのぎ、頑張って継続してくると、今度は、走るのを休むのがもったいなくなります。
休んでしまうと今までの努力が水の泡になるような気がするのです・・・
そんな中で身体のどこかに痛みが生じてきても、ついつい無理をしがちになってくる事が多いのです。
ここで難しい判断となるのが、「単に練習量を減らすだけで良いのか」、それとも「しばらくの期間、走る事をやめた方が良いものなのか」という見極めであります。
自己判断の目安を挙げます。
①歩くだけでも強い痛みがある。
②痛みのある患部が腫れている。
③すねや足の甲が局所的に強い痛みがある。
このような状態の時は、障害をひどく悪化させてしまう可能性があるので、無理に走る事をやめて休養を取るようにして、走る事に詳しい先生を受診して診断・治療を仰いでください。
①走ったのち痛みが出るが1~2日で改善する。
②走り出す前は痛みがあるが、走り出すと気にならなくなる。
③脚や体が重く、やる気がわかない。
このような時は、疲労により筋肉に急性の炎症が起きているか、体力を超えた疲労がたまってしまっているかであると思われるので、「走るスピードを落とす」「走る距離を短くする」「走る頻度を減らす」などの対処で練習量を減らすだけで良いかと思います。
自己ケアーについて今回は書きませんが、「疲労からの回復」「走る事により起きたスポーツ傷害」「身体運動機能のアンバランス」のいずれの状態にでも、鍼灸治療やマッサージ治療、骨格の部分からの整体治療が非常に効果的であります。
健康のため始めたジョグやランニングで、身体を痛めたら本末転倒でございます。
しかし運動には怪我が付き物。程よい負荷をかけながら、体力をつけ、もし続行か休息かの判断が自分では不安な時には、是非、当院にご連絡ください。
きっと力になれると思います。