ウェルキャブ車 愛用者インタビュー: 社会福祉法人 純心福祉会 複合型サービス事業所 谷地頭緑蔭園

ウェルキャブ『ノア』車いす仕様車 タイプⅠ

函館トヨペット株式会社
函館市石川町169番地35 TEL 0138-46-2111

トヨタの福祉車両「ウェルキャブ」は、医療・介護の現場で広く利用されている。今回取材に伺った社会福祉法人純心福祉会の複合型サービス事業所 谷地頭緑蔭園が使用しているのは、ウェルキャブ『ノア』車いす仕様車 タイプⅠ(車いす2名仕様)。「あの車に乗りたい」とリクエストを受けるほど人気を集めているという「ウェルキャブ」について、運転する側からの感想をお聞きした。


※「メディカルページ函館・道南版2024年冬号」(2024年11月20日発行)の冊子に掲載された記事です。

 

■谷地頭緑蔭園で使用するウェルキャブ『ノア』車いす仕様車 タイプ

 「とにかく走行中でも車内が静かです。僕は買い物や通院する利用者さんの送迎が多いんです。もう一人職員が乗車しますが、職員と利用者さんが会話する声が聞こえるくらい」とウェルキャブ『ノア』の静粛性を話すのは、社会福祉法人純心福祉会が運営する複合型サービス事業所 谷地頭緑蔭園の相談員で介護福祉士の坂本紀人さん。

■谷地頭緑蔭園 相談員 ・介護福祉士 坂本紀人さん

 実は坂本さんの愛車は『ノア』の兄弟車『ヴォクシー』で、「ひとつ前のモデルで、もちろんウェルキャブではありませんが、自分の『ヴォクシー』よりも静かです。『ノア』はヴォクシーよりはファミリー向きと思いますが、特に函館新道を走るときは静かだなと思います。車内も広くて、揺れもないので乗り心地がいい。車は酔うので苦手という利用者さんには『ノア』で対応しています。利用者さんにも人気で、『ノア』のことを大きい車とか黒い車と呼んで利用を希望されます」

ウェルキャブ機能も充実の『ノア』は利用者にも人気

■ウェルキャブ「ノア」は車いすの固定・解除と車高切替のスイッチを配置

 『ノア』は、ファミリーユーザーの人気を集めるミドルサイズミニバンで、フルモデルチェンジした4代目は、3ナンバー化により、さらにゆったりとしたスペースを確保。細いピラーと大きな三角窓により開放感をアップしたほか、前席シート背もたれの肩の部分をデザイン改良して後席からの視界を広くした。こうして改良された『ノア』をベース車両にしたウェルキャブ車も当然静粛性や居住性もレベルアップ。もちろんウェルキャブとしての優れた機能も備えている。

 谷地頭緑蔭園が使用しているウエルキャプ『ノア』は車いす仕様車のうち、セカンドシートとサードシートに1名ずつ、車いすを2台収納できるタイプⅠ。バックドアを開け、下ろしたスロープから車いすを収納する。

 バックドアを開けるとエアサスぺンションにより自動的に車高が下がるので、スロープの角度がゆるやかになり、楽に車いすを車内に収納できる。また主な収納な動作は、後部にあるスイッチを押すだけで可能。

 「車いすには普通のいす型のものではなく、リクライニング式という大き目のタイプのものもあります。このタイプをご利用していると『ノア』でなければお乗せできません。また、ポジショニングといって車いすに首もしっかりと固定して座ってもらう利用者さんがいます。この方には、揺れがなく静かに運転できる『ノア』が一番です」と、坂本さんはウェルキャブとしての機能にも満足。

 人気の『ノア』だけに、乗りたいという希望は多いが、『ノア』しか利用できない人もいるため、他の車も含めて運行スケジュールは、担当の管理者が作成して調整している。「利用者さんには『ノア』は昔でいう高級車です」と坂本さんはウェルキャブ『ノア』の人気ぶりを話してくれた。

ウェルキャブ担当者(函館トヨペット㈱佐藤武郎課長)からひと言●

■佐藤武郎課長(函館トヨペット石川店のウェルキャブステーションで)

 函館トヨペット㈱で“ウェルキャブ”を担当する新車部法人営業グループ課長の佐藤武郎氏は、ウェルキャブ『ノア』について、こう話す。

  「ご家庭で一番求められるカテゴリーのファミリーカーはライバル車も多いのですが、『ノア』は見やすさも求めながらも、デザイン的なカッコよさもあるというスタイリングです。また、インパネのメーター部分も女性の方でも運転しやすいように若干下に配置されました。

 セダンと同じような走りを提供するように開発されていますから、クルーズコントロールも装備しています。基本的には高速道路で使っていただくものですが、スピードを保つだけでなく前の車と一定の車間距離を保つというように年々その精度が上がっています。

 車いす仕様車でもスロープタイプで車高が自動で下がる『ノア』は、女性のスタッフも使いやすいと思います。坂本さんのお話を聞いても、スロープが平らにように自動的に車高を下げるという機能をうまく使ってもらっているなと感じました。バックドアを上げると自動で車高が下がりますが、手動でも可能です。またウインチはオプションで電動も用意しています。

 函館緑蔭園さまは、決まった時間に大勢の利用者の方を送迎するというより、送迎時間もフレキシブルにピストン輸送が多いようで、ある程度の乗車定員で運転もしやすい乗用車タイプの『ノア』が合っているのではと思います。

《取材メモ》取材協力:社会福祉法人 純心福祉会

■地域交流スペース

   谷地頭緑蔭園は施設を複合型サービスと表現しているが、正式な呼称は看護小規模多機能型居宅介護(看多機)で看護と介護のサービスを一体的に提供する。地域限定なので利用者は函館市民に限られる。函館公園に近い建物には地域密着型特別養護老人ホームに複合型サービス事業所を併設。29名定員の特養のほか、複合型サービス事業所は「通い」「泊まり」やヘルパーによる「訪問介護」、看護士による「訪問看護」の4つのサービスを組み合わせて利用できる。

■レクリエーションの模様

「通院には『ノア』が大活躍します。通院や帰宅途中の買い物などは通常のサービスではできませんが、うちでは対応しています。宿泊は特養が空くまでの待機としてロングステイ。通いのデイサービスは朝10時過ぎのお迎えや、ご家族の帰宅時間に合わせて夜6時頃に自宅送り届けるなど利用者に合わせています。見学も随時受付けています」と坂本さんは話している。

社会福祉法人 純心福祉会 

複合型サービス事業所 谷地頭緑蔭園
函館市谷地頭町23番5号 TEL.0138-26-7771


(取材日:2024年10月9日)