トヨタの福祉車両「ウェルキャブ」ハイエースに続いてノアの試乗車も登場
函館トヨペット株式会社
函館市石川町169番地35 TEL.0138-46-2111
高齢者や身体にハンデのある人にも優しい移動手段を提供するトヨタの福祉車両「ウェルキャブ」。函館トヨペット㈱では、6月の『ハイエース』に続いて、7月にはフルモデルチェンジした『ノア』と2台のウェルキャブ試乗車を用意。『ハイエース』は、車検や点検での工場入庫の際の代車としてユーザーが利用。また、3ナンバー化でフルモデルチェンジした新型『ノア』は、一般のファミリーにもウェルキャブのミニバンを知ってもらう試乗車の利用をアピールしている。 「メディカルページ函館・道南版2022年冬号」(令和4年11月20日発行)の冊子に掲載された記事です。 |
『ノア』はファミリー層の人気を集めるミドルサイズミニバンだが、フルモデルチェンジした4代目は、3ナンバー化により2列目、3列目もゆったりスペースを確保。細いピラーと大きな三角窓により開放感がアップしたほか、前席シート背もたれの肩部分のデザインを改良したことで、後席からの視界も広くなった。
この新型『ノア』をベース車両にしたウェルキャブは、車いす仕様車のタイプⅠとタイプⅡがあるが、函館トヨペットが試乗車に用意しているのは、4WD車でサードシート付のタイプⅡで、定員は運転席+助手席+セカンドシートの4名にサードシートを折りたたんで、固定した車いす1名の5名だが、車いすを乗せずにサードシートを使うと7名が乗車できる。
バックドアの開閉と車高の昇降をリンクさせた簡単操作が特徴で、車いすを乗せる時は、バックドアを開けると自動的に車高が下がる(連動モード時)。
角度9.5度の緩やかなスロープから、車いすに乗ったまま車内に乗りこめる。車いすのキャスター上部(左右2か所)にフックをかけるセーフティベルトは、仮置きバンドをバックドア近くに設置しているので、車内に入らずに簡単にベルトを取り出せる。
ベルトは自動的に後退防止モードとなり、巻き取り機能によりたるみを防ぐ。スイッチにより電動で車いすを固定。車いす利用者は、車いす用のシートベルトを着用するが、バックルが自立しているので片手でも脱着可能だ。
女性にも快適運転の『ノア』
このような機能は、実際に試乗車で体験して欲しいが、『ノア』はミドルバンとしてファミリーユースの人気が高い車種。それだけにウェルキャブも狭い道や小路など小回り運転が必要な所を女性スタッフが運転する場合も使い勝手がよい。
「ハイエースは大きいので運転が大変という女性スタッフの方にハイエースよりひと回り小さくて運転しやすい4WDのウェルキャブのノアを試乗車にご用意しました」と、福祉車両(ウェルキャブ)試乗車を管理する函館トヨペット㈱営業本部法人部の佐久間義之主任は話す。
ウェルキャブ『ハイエース』は代車利用も
函館トヨペットのウェルキャブ試乗車の導入は今回が初めて。ウェルキャブ『ハイエース』は、利用客の送迎用など法人の利用が中心で、これまで車いす仕様の代車がなかったため、工場への入庫は送迎使用の少ない土曜日や日曜日に集中していた。車検や定期点検、また急な修理など工場入庫が必要な時にユーザーに不便をかけてしまう場面もあったが、ウェルキャブ試乗車の代車利用により、この問題も解消した。
さらにウェルキャブ『ノア』は、ミドルサイズミニバンとしてファミリーに人気が高かったことから、病院や施設などの法人利用に限らず、個人の家庭用としてウェルキャブの使い心地を一度体験して欲しいと佐久間主任は話している。
法人のウェルキャブ利用はリース中心
現在、法人のウェルキャブ利用の中心は、少ない初期投資で車検やタイヤ交換などの費用も含めたリース利用が多くなっている。
リース車両には、施設名や社名のような看板をペイントできないのではというユーザーもいるが、ほとんどがシールやマグネットシートの対応で問題ないという。
それよりも問題は車種を問わず新車の納期遅れだ。ウェルキャブはスロープやリフトなどの架装が必要なため、普通車の納期よりも2、3カ月余計にかかるという。
しかし、リース満了を踏まえて新車の検討がなかなか進まないという法人では、新車でリース契約をしても納車が遅れ、納期の確約ができず、結局再リースというケースも出ているという。新車の納期遅れは、解決がいつとも見通せないだけにディーラーでも頭が痛いが、ウェルキャブでも早めの相談を呼びかけるなど、可能な限りの対応を心がけているという。
なお、福祉車両「ウェルキャブ」試乗車についての問い合わせは、営業時間内であれば電話0138-46-2111(担当:営業本部法人部)まで。
(取材日:2022年10月14日)