ウェルキャブ車 愛用者インタビュー:医療法人 函館友愛会 「介護老人保健施設 響の杜」
●ハイエースロングボディ車いす仕様車(Bタイプ)●ハイエーススーパーロングボディ(ストレッチャー対応車)
函館トヨペット株式会社
函館市石川町169番地35 TEL 0138-46-2111
初めてのユーザーだけでなく、二度目、三度目のユーザーからも高い支持を集めるトヨタのウェルキャブ車。今回のメディカル情報では、今年新たに3台のウェルキャブ車を導入した函館市陣川町の「響の杜」を訪れ、導入に至った経緯や利用者の感想についてお話を伺った。
※「メディカルページ函館平成28年度改訂版」(平成28年12月1日発行)の冊子に掲載された記事です。内容は掲載時のまま表記しています。 |
今回は3台同時に導入したとお聞きしましたが、その経緯をお聞かせください。
平成9年にオープンした当施設ですが、これまで利用していた車が買い替える時期にきていました。まだ1~2年は使えたのですが、利用者様をより快適に、より安全に送迎するために新車の導入となりました。
車種はいずれもトヨタのハイエースですが、クルマ選びはどのような基準で行いましたか。
オープン当時から当施設ではトヨタのウェルキャブ車を利用してきましたが、他社の車と比べて圧倒的に使いやすいというのがスタッフ共通の認識でした。今回の車選びもまず“トヨタ車ありき”からスタートし、通所の定員が45名と比較的多く、また車いすを利用されている方も多いことから、車いす2名+8名が乗ることのできるBタイプにしました。
1車両だけストレッチャーが乗せられるスーパーロングボディを採用しているようですが。
はい。入所者の通院用や、通所者が体調を崩した時に備えてストレッチャーが乗せられるタイプを一台採用しました。点滴をかけるフックなどの装備も充実していて、ちょっとした救急車のような感じで使い勝手もいいですね。
導入して間もなく1年が経ちますが、利用者の評判はいかがでしょう。
今回のハイエースは揺れに対する対応が格段に向上していますね。以前の車は後ろの方だと結構揺れを感じたのですが、今回の車は揺れに敏感な利用者の方も安心して乗っていられるようです。車に酔うのでなんとかならないか、というリクエストもなくなりました。実際、私たちスタッフも最後部に試乗してみたのですが、砂利道やカーブの多い道を通っても大幅に揺れが軽減されていることを体感し驚きました。
他に何か気づいた点はありませんか?
手すりやステップの視認性を高めた黄色いカラーリングが好評ですね。特にステップは地面とステップの境がはっきりと分かるので踏み外すこともなく、車への乗り降りも怖くなくできるそうです。また、窓の位置が高く設定されているので、車いすに乗ったままでも外の景色を楽しめているようですね。遠足など頻繁に外出するのですが、これまでは窓が低く、自由に体を屈められない利用者さんは車窓の景色を楽しむことができなかったので、改善されて喜んでいます。
車を運転されるスタッフの評判はいかがでしょう。
操作性がよく、さすがはトヨタの車という感じですね。女性スタッフでも楽々運転できますし、細い通りでも切り返しが難なくできます。幹線道路から外れた細い道でも小回りが効きますし、このまま行っても大丈夫かなと思うような道もキビキビ走ってくれて、バックなども操作しやすい車です。一度送迎に出ると1時間以上は運転しますが、疲労感も少なくなりました。
すでに雪の時季を経験されていますが、雪道での運転はどうでしょう。
雪で立ち往生したということはありません。当施設ではバスも所有しているのですが、車体が大きいので入っていける道が限られます。とくに雪の時季には利用者の自宅の玄関前に車を寄せたいので、雪道にも強く、小回りの効く今回の3台は、十分に力を発揮してくれています。
故障や定期検査などアフターサービスも気になるところですが。
現在お世話になっている函館トヨペットの車両部長が営業マンだった頃からのお付き合いで、現在の担当者とともにこまめに様子を伺いに来てくれています。車が一台ないだけで送迎の段取りを組むのが大変なので、定期検査などは休日の土日に優先的に行ってくれるおかげで助かっています。車の技術的なことは安心してプロにお任せできるので、業務に集中できますね。スタッフも施設利用者もみんな大満足です。
今回お話を伺った長沼さんと澤田さん。「高齢者だけなら一般的なデイサービスに行って楽しみ、生活リハビリというかたちになりますが、当施設は脳梗塞の後遺症のリハビリに取り組む若い利用者も多く、本格的なリハビリが主なサービスとなります。自分たちもいつリハビリを受けに通うことになるかわからないと思うと、車を含め、自分たちが通っても快適だと思える施設にしたいと思いますね」と話しています。 |
●担当者ご紹介● | |
ウェルキャブ車は既成の乗用車とは違う部分の故障が起こり得ます。万が一不具合のあった場合には迅速に対応できるよう常に心がけています。多くの方の“足”としてご利用いただいているので、通常の業務に支障が出ないよう、細かいご要望にも出来る限り応えられるよう努めたいと思います。
【取材メモ】函館市街を一望する高台に建つ『響の杜』。「リハビリを続けるには何か楽しみがないと続かないので、通所する人同士交流しながら楽しんでもらいたい。そのためのサポートをするのが自分たちの役目ですね」というスタッフの言葉の通り、利用者がみな生き生きとしている姿が印象的な施設だった。 取材協力 医療法人 函館友愛会 「介護老人保健施設 響の杜」本格的なリハビリ施設として入所療養介護、短期療養介護、通所リハビリテーションのケアサービスを提供する「響の杜」。明るく清潔なオープンスペースでは、理学療法士や作業療法士など専門のリハビリの先生がマンツーマンでサポート。一方、カラオケや、パークゴルフ、マージャンなど、利用者がやりたいことを楽しむというスタイルの運営が評判を呼んでいる。月に一度、琴の演奏会や、民謡のコンサートなどのボランティア慰問が訪れたり、近所の小学生がお遊戯を披露しにくるなど、地域との交流も盛ん。
(取材日:平成28年10月14日) |