運動を通して発達障害の子供たちを応援 児童体操デイサービス「ジャンピング」

●株式会社アレスサポート 代表取締役 関村 卓弥 氏
函館市高盛町14番10号 TEL 0138-87-2542
http://alles-support.jp/

clm_160415_alles_01コミュニケーションがうまく取れず、自分勝手と誤解されている子どもの行動は、発達障害と呼ばれる脳機能障害が原因となっていることもあります。文科省が2012年に実施した調査では、全国の公立小中学校の通常学級の児童生徒のうち、発達障害の可能性のある子どもが60万人(6.5%)に上ることが推計されています。平成27年10月、道南地区で初めて発達障害児に体操など運動に特化したデイサービスを提供する「ジャンピング」を開設した株式会社アレスサポートの関村卓弥代表にお聞きしました。


「メディカルページ函館平成28年度版」(平成28年7月7日発行)の冊子に掲載された記事です。

最初に発達障害について教えて下さい。

clm_160415_alles_02【関村卓弥代表のプロフィール】
昭和54年江差町生まれ。小学校2年生から体操を始め、函館ラ・サール高校では体操部に所属。札幌の大学卒業後、函館で会計事務所に勤務しながら、ボランティアで体操スクール等の指導に携わり、全道大会などの審判を担当。念願だった子どもと接する仕事として、㈱アレスサポートを立ち上げ、平成27年10月「ジャンピング」をオープン。日本体操協会公認第一種審判員、D審判員の資格を有し、北海道体操連盟審判部に所属。アレス体操クラブヘッドコーチも務める。

「広汎性発達障害であるアスペルガー症候群や自閉症のほか、学習障害(LD)や注意欠如・多動性障害(ADHD)などがあげられます。基本的に併発しているケースが多いのです。4、5歳になっても団体行動がまったくできないとか、人の話をまったく聞けないということがあれば、相談支援事業所で相談してみることです。その後、療育センターやメンタルクリニックで受診してもらって、医師が発達障害かどうかを診断します。発達障害と診断されたら、また相談支援事業所に行ってください。そこでこういう診断を受けましたと話すと、担当者が、お子さんは幼稚園や保育園、学校には行っていますかとか、共働きですかとかと質問された上で、月曜日から日曜日まで一週間のライフサイクルをまとめた予定表を作成してくれます。また、保健師さんが家庭訪問して、実際にお子さんの状況をみて、デイサービスが必要だという判断をもらうことになれば、相談支援事業所から提出された週間スケジュールを加味して、受給を決定し、受給者証が交付されます。

放課後デイサービスの対象となるのは?

放課後デイサービスの対象となるのは、小学生以上で年齢は18歳未満です。しかし、各事業所によって小学生しか扱っていないとか、中学生までとか、高校生まで受け入れるとか、いろいろなケースがあります。
見学は自由ですから直接来ていただいて構いません。しかし、函館市の場合は相談支援事業所で相談されて、診断を受けられ、受給者証をお持ちかどうかという確認作業から始まります。先程お話した相談支援事業所による子どもの一週間のライフサイクル、計画表を受けて、これでやっていきましょうという相互確認を相談支援事業所とうちのデイサービスはしなくてはなりません。市町村によって決まりは様々ですので、お住まいの市町村に確認して頂いております。

ジャンピングの療育内容について教えてください。

clm_160415_alles_03
■関村代表とジャンピングの先生たち

各小学校の下校時間に合わせて、我々職員が迎えに行きます。授業のある時は、午後2時30分から3時の間に迎えにいって、子どもたちが集まります。迎えに行く場所はご自宅でも、ご希望があればお爺さんやお婆さんの家でも構いません。
遠いところは七飯養護学校がある七飯町本町。北斗市は追分ぐらいまで、送迎しています。恵山からのご希望があって、距離が40キロくらいあるので難しかったのですが、お母さんが送迎してくれるということで、恵山からの利用者もいます。
当施設は児童発達支援と放課後デイサービスを行っていますので、それぞれを足して10名の定員です。基準では先生1名で5名の子どもまで見られますが、うちでは6名の先生が子どもたちを見ています。
1階の教室(92㎡)には、トランポリンや平均台などの器具がありますが、最初は自由時間で、15分から30分くらい時間を取って、ボール遊びや縄飛びなどで遊んでもらいます。中には来てすぐ宿題をする子どももいます。その後、体操に移行して準備運動の後、その週によって、鉄棒やマット運動、トランポリン、跳び箱などメインのプログラムの体操をします。

clm_160415_alles_04
■トランポリンや跳び箱など運動器具を備えた教室

体操の時間は30分程度です。集中が続かない子どももいる一方で、鉄棒が好きな子どもだと鉄棒の週は、ずっと鉄棒をやっているんです。でも、時間がきたら一度やめて、おやつをみんなで食べながら、本を読んだり、DVDを見たりして、心を落ち着かせる時間を持ちます。
その後は、みんなで決めた遊びをやって、その後また少し運動して、クールダウンして、子どもたちは汗だくになっているので着替えてから、小学生は全員5時には出発します。ご自宅まで送ったり、学童保育所に送り届けるという子どももいます。
土曜日は学校が休みなので午後2時から5時まで。ちょっと遠いところは1時30分くらいに迎えに行って、2時にはみんなが、ジャンピングに揃っているようにしています。

放課後デイサービスを運動に特化した理由は?

運動はテンションがあがりますから、運動した後の子どもを落ち着かせるというのは健常児でも難しいんです。楽しいことをした後に静かに座っていなさいといっても、子どもには無理です。でも逆に運動する事で訓練できるんです。

■2階には読書など自由に使える放課後ルームも

■2階には読書など自由に使える放課後ルームも

運動してテンションが最大値まで上がった時に、あいさつをして、おやつを食べる。テンションを少しずつクールダウンさせるのは、日常生活ではなかなかできない。それが体操を取り入れた理由です。
体操は危ないのではないかというイメージがあるかも知れません。でも、うちは体操選手を育てる事業所ではありません。体操器具を使って、汗をかこうという場所なのです。ですから危ないことはさせません。楽しくて、疲れて、ご飯を食べてお風呂に入ったら、眠くてしょうがない。そうなれば1日の生活サイクルが整い、健康的な生活になるのではないでしょうか。

体操による放課後デイサービスの目的は?

生活リズムが整う事も目的のひとつです。さらに団体行動ができるようになること。学校は20人、30人の団体行動ですから、手をつないで座るのも難しい。でも、うちは少人数のなかで団体行動の練習ができます。また、発達障害の子はどうしても他の人に気配りができないので、ちょっとでも改善されて気配りができるようになること。いろんな思いがあります。体操のほかに体を使った遊びも教えたい。学校や塾では教えてくれないメンコなど昔の遊びも今後取り入れていきたいと思っています。


株式会社アレスサポート
函館市高盛町14番10号 TEL 0138-87-2542
オフィシャルページ