100年企業を目指すアキヤマが提案する新たな食文化 

 株式会社アキヤマ 業務用食材・関連機器販売・宅配事業
●北斗市東前3-41 TEL0138-77-7491 https://www.akiyama-fs.co.jp/

業務用食材・機器の専門商社㈱アキヤマは2048年に迎える創業100周年に向けて、三代目社長・小林周平氏が新たな展開を意欲的に進めている。コロナ禍後も物価高と厳しい状況が続く中、小林社長にアキヤマの展開を聞いた。


「メディカルページ函館・道南版2025年夏号」(令和7年7月20日発行)の冊子に掲載された記事です。

 

食品卸としてコロナ禍をどう乗り切ったのですか

■小林 周平 社長

  コロナ禍では飲食・宿泊業さらに学校給食も中断と需要が大幅に減少し影響を受けました。その中でコロナ患者さんの隔離施設に納める弁当や個人宅に業務用食品を届ける牛乳の宅配事業、それに変わらぬ需要があった病院給食に助けられました。

 もともと道内で病院給食は札幌の事業者の独占状態で当地も同様でした。全国病院用食材卸売業協同組合(全病食)は平成6(1994)年に当時の厚生省と農水省の認可を受けて設立された事業協同組合で、病院用食材の様々なPBを持っていました。今後、病院や老健の給食を拡大するには、全病食に加入してPB商品を扱うことが不可欠で平成15(2003)年に全病食の組合員となりました。

これには当時の小林久周社長(現会長)が、今後進む人口減少のなか高齢者や病気を持つ人は増えていく。今求められるのは、家庭で食べられる治療食や介護食。アキヤマが先駆けて組合に入り食材を扱うことでお客様のお役立てるという思いもありました。

全病食について教えてください

 全病食の設立趣旨は医師や栄養士、介護関係者との情報交換によりニーズを把握して、食品メーカーとの連携により適切な病院用食材の安定供給です。

 これまでアキヤマを含めて4社で北海道ブロックを構成していましたが、6月20日の総会でブロックを再編して北海道と東北が一緒になりました。昨年は関東と甲信越が合併しましたが、再編により1店舗での販売をみんなで分散して均等にしようというのが狙いです。

 メーカーさんは全病食の組合員を集めて病院食向けに研究、発信しているのですが、最近はメーカーさんもレベルアップして、多くのメーカーさんが病院向けの食材を開発しています。また全病食に加盟していない会社でも参入できるような状況で、病院専門の配送ルートを持った業者もいて取り巻く環境は厳しくなってきています。

 全病食にはジャピタルクックという商品がります。完全調理済み食品シリーズで、そういう冷凍食品のラインナップもお店においてPRしたいと思っています。

治療食・介護食はワールドグルメプラザに売り場がありますね

 種類が多く在庫管理が大変なこともありますが、今の売り場では狭いと思っています。

 ご自分で商品を探してアキヤマにたどり着く方もいらっしゃるのでしょうが、病院の先生が患者さんにアキヤマにこういう商品があるよと教えていただけるのはありがたいです。医師、看護師、栄養士の先生たちの紹介を受けていらっしゃる方が多いのです。もっと伸ばしていきたいし、これからの10年くらいは、まだまだ伸ばしていけると思います。

 今はまずチェレンジする。結果は後からついてきますから、できることから始めるということで、ワールドグルメプラザでは、売り場の奥に小分け室をつくって小麦粉や片栗粉など20キロ、30キロの大きな袋で入って来たものをお客様が使いやすい1キロ、2キロ単位に小分けして販売します。

 小売店にでんぷんや味の素、重曹を小分けにして提供することは昔からやっていました。業務用の大きな商品を小分けすることで単価も下がります。今は物価が高騰していますが、できるだけ安い値段でご提供したいと思っています。

宅配事業の展開はいかがですか

 宅配利用者の方にどのようにアプローチするかが課題です。利用者の方に牛乳をベースとして付随するものを頼んでいただいて、それをお届けできればいいのですが、現状はそこまでいっていません。

 宅配は凄くいいシステムですが、牛乳の宅配を通じてアキヤマからアナウンスするとか商品構成を分かりやすくチラシやSNSで紹介したり、紹介したアキヤマの商品は宅配できますとさらに発信するなど手段はたくさんあると思っています。たとえば介護食や治療食の料理講習会も続けていきたいと思っています。当社を会場に使ってもいいし、介護食はご家庭で介護しているご家族にも役立つ講習になると思います。

2048年には創業100周年を迎えます

 あと23年あると思うか23年しかないとみるかは大きな違いですが、現状に満足せずに行動し続けることが大切だと思います。

 実はコロナ禍で中断していますが、小林会長と一緒に計画したものに野菜の加工場があります。カット野菜や冷凍野菜など野菜の加工場です。アキヤマとして食に貢献するプロジェクトです。

 また宅配事業でも触れましたが、SNSの活用です。これまではメディアは大手通信社やテレビなどに代表されていましたが、今はSNSを始めすべてがメディアとなる時代です。価値のある情報発信にこだわりキーワードを通して伝えたいメッセージを届ける。卸売業も積極的な発言が必要です。

 アキヤマはこの分野で後れを取っていましたが、小林和久常務の提案で始動しています。コンプライアンスの順守や社内におけるSMSルール、就業規則の中にSNS規約を付加する、社内での勉強会など、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSの活用は、100年企業を目指すアキヤマに不可欠な命題と思います。

■左からワールドグルメプラザの治療用・介護用食品コーナー、小分け室、アキヤマミルクセンターの宅配車

                      (取材日:2025年6月4日)