工業から産業へ !『鉛蓄電池』システムなどエネルギー事業の新展開

有限会社河村工業  函館市本通2丁目54番27号 

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■河村悦郎社長

 建築塗装業から創業し、一昨年40周年を迎えた(有)河村工業は、エネルギー事業へと事業を「工業」から「産業」へと大きく発展させている。「みなさまの生活をよくする事業を全方位で展開しているものが形になってきています」と話す河村悦郎社長に、同社の新たなエネルギー事業展開について聞いた。

寒冷地の課題を克服する「鉛蓄電池」に着目

 同社はすでに、「オンサイトPPA」などエネルギー事業を展開中だが、現在開発を進めているのが蓄電池システムである。

 近年、猛暑に伴うリチウムイオン蓄電池の発火事故が増加。汎用性の高いリチウムイオン電池だが、衝撃に弱く、特に北海道のような寒冷地では低温での機能低下という問題も指摘されていた。

 河村社長が、こうした課題をクリアできる蓄電池システムとして着目したのが、「枯れた技術」とも言われていた『鉛蓄電池』。この技術に、新しい可能性を見出した。

 このシステムは、環境省の補助を受け実証実験が行われ、今年完了。画期的な性能が実証され、河村社長は「量産体制のフェーズに入っていく」と、実用化に意欲を見せている。

 鉛蓄電池には、放電時にできる硫酸鉛(サルフェーション)が結晶化し、性能が低下するという問題があった。このサルフェーションの発生を防げば、再び活躍の場を広げられる。

 河村社長は、クライアントが開発した『サルフェーションの発生そのものを防ぐ触媒技術』に注目。「当初は中古バッテリーを復活させる技術でした。しかし、その触媒を新しいバッテリーに入れたところ、市販品のハイレベルなバッテリーと比較しても性能が20%高いことが実証実験で確認できました」

 現在、この高性能な鉛蓄電池は台湾とベトナムで製造されているが、海外製造のリスクを考慮し、製造拠点を道内に設ける構想もある。

 河村社長は「住宅の仕事をしているので、私は定置用蓄電池に使いたいと思っています」と、大きな市場を見据える。

 かつて売電収入が魅力だった太陽光パネルだが、FIT制度の買取期間満了により、売電価格は大幅に下がっている。

 この鉛蓄電池を採り入れて自家消費に切り替えることで、売電価格の下落分をカバーし、家計をプラスにすることが可能だ。太陽光発電がない家庭でも、蓄電池を活用して電気を効率的に使うことで、家計に優しい運用が可能になる。

コンサルティング業務が導く事業展開

 エネルギー事業以外にも、メガソーラー再活性化プランや土壌改良の新企画など、同社の新展開は目白押しだ。幅広い分野に事業を広げる理由について、河村社長はこう語る。

 「すべてクライアントさんからの学びです。本来、コンサルタントは助言と支援だけですが、私は一緒に頑張りたいクライアントさんと共に事業を行うというスタンスです」

 こうした積極的な展開の礎となっているのは、建設事業の堅調さだ。

(取材日:2025年10月28日)


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