地域課題を技術で解決!未来大生が開発スキルを競う

保育現場の「共育」実現へ

■最終日には各チームの発表と表彰式が行われた

公立はこだて未来大学発のITベンチャー企業『iDea』は、6月26日から30日にかけて、第4回目となるハッカソン『函館美原保育園カップ』を開催した。
今回は、同大学の学生4チームが参加し、生成AIなどを活用して保育士の業務負担を軽減し、保護者とのコミュニケーションを向上させるアプリの開発プランを競い合った。
激戦の結果、ボードフォリオ(子どもの成長記録)の作成支援と共有サービス『エモカ』を提案したチーム「P3」が最優秀賞に輝いた。

■佐々木翔太 社長

ハッカソンでは、毎回地域企業が抱える具体的な課題がテーマとなる。今回は、函館美原保育園の「現在の保育業務負担」が課題として取り上げられた。参加チームは、この課題を解決するため、保育士の業務負担軽減に加え、保護者と保育士が共に子どもを育てる「共育」を実現する開発プランを提案した。
同大学の3〜4年生12名が参加し、4人1組の3グループに分かれて対抗戦形式で実施。学生たちは、実際に函館美原保育園を訪問し、保育士から業務内容をヒアリングするなど、現場の声を反映させ、プランの作成に活かした。

ハッカソンが目指す「地方からの社会変革」

最終日の6月30日夜、はこだて未来大学を会場に、各チームによる発表と表彰式が執り行われた。
表彰式で挨拶に立った㈱iDeaの佐々木翔太社長は、まず、課題を提供した函館美原保育園への感謝を述べた。そして、「未来の働き方や地方産業のあり方が問われる現代において、このハッカソンが単なるイベントで終わるのではなく、地方から社会を変えるきっかけとなることを願う」と、熱い思いを語った。

ハッカソン審査、AIで保育士の負担軽減と「共育」を追求

左から河村悦郎氏、野又淳司氏、伊藤恵氏、松本怜氏

㈱iDeaの佐々木社長に加え、同社の特別顧問である㈲河村工業の河村悦郎氏、学校法人野又学園理事長の野又淳司氏、公立はこだて未来大学教授で高度ICTコース長の伊藤恵氏、それに社会福祉法人育星園認定こども園 函館美原保育園園長の松本怜氏が審査員を務めた。
未来大生の4チームはチーム名をそれぞれ「P3」、「泥だんご」、「たんぽぽ組」、「メガネ界隈」とした。多くのチームが「ボードフォリオ」という子どもの成長記録を写真やコメントでまとめる壁新聞形式のものに注目し、保護者への情報共有手段として重要である一方、保育士の大きな業務負担になっていると指摘した。

優秀賞は保育士の負担を軽減し、保護者との絆を深めるアプリ

■最優秀賞のチーム「P3」(左)と特別賞のチーム「メガネ界隈」

優勝したチーム「P3」も、保育現場への取材から、作成に2時間も要するボードフォリオが保育士の業務量を増やす一因となっていることを突き止めた。彼らが発表したのは、ボードフォリオに使用する写真の自動分類とテンプレート活用により、保育士の負担を軽減しつつ、保護者と心を通わせる記録を届けられるアプリ『エモカ』だ。彼らはこのアプリを通じて、保育士と保護者が共に子どもの成長を支え合い、感情のつながりを目指すと語った。

審査員が称賛する「社会を変える」可能性

審査員との質疑応答を経て、チームメガネ界隈が特別賞、チーム「P3」が最優秀賞を受賞し、松本氏から表彰状が贈られた。
河村氏は審査講評で、「幼児教育は社会を支えるインフラ。みなさんの開発した技術が、日本、さらに世界を変えるきっかけとして評価されるようなハッカソンだ」と参加チームを称賛した。また、松本氏は、参加チームが保育園の仕事を理解し、その夢を形にしてくれたことに感謝を述べつつ、「ICTに詳しい方々と話すことで、改めて自分たちの業務について考え、理解する貴重な機会になった」と語った。

(取材日:2025年6月30日)


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