未来大×地域企業!未来を拓くスタートアップの挑戦
有限会社河村工業 函館市本通2丁目54番27号
TEL.0138-85-8570 https://kawamura-id.com/ LINE

■河村悦郎 社長
株式会社iDea(佐々木翔太代表)は、公立はこだて未来大学(以下未来大)発のスタートアップ企業として同大から称号の授与と支援を受けている企業で、㈲河村工業社長の河村悦郎氏は、そのiDea社の特別顧問を務めている。
「AIデータ活用」と「地方共創事業」の提供を目的として学生が立ち上げたこの未来大のスタートアップは、地域の中小企業が抱える課題に対し、最適なAI技術の活用を提案し、その実現に向けたソフトウェアを提供している。この革新的な取り組みを特別顧問として、また経営コンサルタントとしても深く支えているのが、㈲河村工業の河村悦郎氏。函館大学と北海道教育大学で教鞭を執ってきた河村氏は、これまで未来大とは直接的な接点がなかったが、ある転機が訪れる。それは、河村氏が委員長を務める北海道中小企業家同友会函館支部に、株式会社iDeaが入会したこと。これをきっかけに河村氏は未来大への視察を行うこととなり、新たな繋がりが生まれ、河村氏は株式会社iDeaの事業に深く関わることとなった。
佐々木氏から研究の話を聞き「これだけの人材を地域資源として活用しないのはもったいない」と感じた河村氏は、佐々木氏にハッカソンを提案する。ハッカソンとは、ハック(工夫や効率的な解決策)とマラソン(競争)からの造語で、開発者がチームを組み、限られた時間内に特定のテーマで開発を行い、その成果を競うイベント。「未来大のような理系大学でのハッカソンは、どれだけ美しいプログラムコードをかけるかという競争になりがち」と語る河村氏は、その懸念から、アイデアの創出に重点を置くアイデアソン(アイデアとマラソンを組み合わせた造語)とのハイブリットの形で地域中小企業の経営課題解決を提案。地域の中小企業が抱える経営課題に対し、未来大の学生12人が3人ずつ計4チームに分かれ、開発を競い合った。
AIで企業の課題を攻略!学生が挑む実践型ハッカソン
2024年8月に開催された第一回ハッカソンでは、函館朝市内の老舗小売店「稲場魚介苑」のデジタル顧客管理革新がテーマ。未来大の2・3年生と大学院修士課程の学生ら計12名が3人1組の4チームに分かれ、アプリとシステム開発を通じてこの経営課題の解決に取り組んだ。第二回では、障害者就労移行支援事業所「ジョブシード」が開発を要請したプロジェクトが焦点に。生成AI技術を活用したスーパーマーケット「ラルズマート」を舞台とした就労支援の認知拡大と関心の醸成を目指した。そして第三回は、七飯町の遺品整理会社「こころ屋」が生成AIアバターを活用した個人の終活プログラムをテーマとした。これは、個人の遺志をデジタル上で再現し、遺族とのコミュニケーションを支援する革新的な終活支援を目的としたものだ。
経営コンサルタントの河村氏は、ハッカソンにおいて、自身のノウハウを活かしている。「クライアント企業が抱える経営課題の中から、技術的に解決の可能性があり、効果も高いものを、クライアント・私・佐々木君の3者で選定します」
企業の規模や種類を問わずiDeaハッカソンは35万円(税抜)で依頼が可能だ。
多くの地元企業が注目するなか、4回目のハッカソンが6月26日から30日までの5日間開催された。(詳細は次ページで紹介)。iDea社とハッカソンについての問合せは㈲河村工業TEL0138-85-8570まで。
(取材日:2025年6月13日)