耳鼻咽喉科の担当領域は五感が集中する頭頸部 かかりつけ医として地域医療への貢献目指して開院

 やまざき耳鼻咽喉科 山﨑 徳和 院長
函館市美原1丁目17番20号 TEL 0138-83-8718  URL https://yamazaki-jibika.com/

函館五稜郭病院で本年9月まで15年余にわたり耳鼻咽喉科で診療に当たっていた山﨑徳和先生が、10月8日函館市美原1丁目に『やまざき耳鼻咽喉科』を開院した。これまでの経験を生かし、地域のみなさんに信頼されるかかりつけ医を目指したいと話す山﨑先生にクリニックの紹介と併せて、耳鼻咽喉科の診療について聞いた。


「メディカルページ函館・道南版2021年冬号」(令和3年11月18日発行)の冊子に掲載された記事です。

 

総合病院である函館五稜郭病院とクリニックでの診療の違いは。

山﨑 徳和 院長

 函館五稜郭病院ではいろいろな症例を経験させていただきました。病院では主として紹介患者さんを診療しましたが、今度は診療の最初の入口となるクリニックとして、いろいろな症状の方が気軽にご相談いただける地域のかかりつけ医になっていきたいと思っています。

ご専門の耳鼻咽喉科について教えてください。

 耳鼻咽喉科といえば耳、鼻、のどの診療科をイメージされると思いますが、実は今年5月に日本耳鼻咽喉科学会の名称が日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会に変わりました。鎖骨より上の頭頸部の様々な疾患の診断と、投薬などの内科的な治療だけでなく手術も含めた外科的治療を私たち耳鼻咽喉科医が担当しています。
 耳は中耳炎や難聴、めまい、鼻はアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、口腔は舌の炎症や味覚障害、耳下腺などの唾液腺の疾患、のどはよくある風邪などによる炎症の他、細菌感染による扁桃炎、声帯のポリープなどを診ています。
 この領域の腫瘍は頭頸部腫瘍と呼び、舌がん、咽頭がん、喉頭がんの手術や甲状腺、唾液腺などの腫瘍の手術をするのが頭頸部外科です。

耳鼻咽喉科の担当領域は多岐にわたるのですね。

 大谷選手が活躍するアメリカの野球のように診療科目でメジャー、マイナーと大きく分けると耳鼻咽喉科というのはマイナー科といわれます。しかし担当領域は、とても大事な身体の部位。視力障害は眼科の担当ですが、鼻の炎症が視神経に及んで失明しそうなので鼻の緊急手術をしなければならない時もあります。
 匂いをかぐ(嗅覚)、聞く(聴覚)、味わう(味覚)、触覚もありますから、頭頸部は五感の全てが集まっているといってもいい場所です。コミュニケーションに不可欠な聞くこと、話すこと、食べ物を咀嚼して飲み込むこと、呼吸の大事な通り道である上気道であることなどQOL(Quality of life:生活の質)に大きく影響する診療科です。強い炎症や腫瘍によって起こったのどの腫れで呼吸困難な方の気管切開、人工呼吸管理のための気管切開なども病院ではおこなってきました。
 頭頸部に関わる外科手術は耳鼻咽喉科医がおこなっていて、すごく大事なところを扱っているということを知っていただきたいですね。

どんな症状の時に耳鼻咽喉科を受診すればよいのでしょう。

 風邪の症状だけで、耳鼻咽喉科にかかる方は少ないかもしれません。風邪を引いた後に健常な方がいきなり気管支炎や肺炎になるわけではありません。一般的には、鼻やのどの急性炎症であり、主にウイルス感染で起こる急性上気道炎がその本体です。
 耳鼻咽喉科の疾患は決して珍しくありません。約8割の方が、子供の頃、風邪にかかった時に中耳炎になっているといわれています(多くは自然に治ってしまったかもしれません)。一度も風邪をひいたことがないという人はいないでしょうから、鼻炎にも咽頭炎にも、声がかすれる喉頭炎にもなったことがあるはずです。これらは全部、耳鼻咽喉科が得意な範囲です。

風邪の症状があるときは耳鼻咽喉科を受診することも選択のひとつですね。

 ウイルス感染による急性上気道炎というのが風邪症候群ですが、鼻やのどの診察は、耳鼻咽喉科が専門にしている領域ですから、「風邪で耳鼻科を受診したら詳しく診てもらえて少し早く治った」と感じていただけたらうれしいです。
 また、鼻の奥を処置したりするのも専門です。気道感染するウイルスが主に付着する場所は上咽頭と呼ばれる鼻の突き当りの部位、のどちんこ(口蓋垂)の裏側です。検査では上咽頭の粘膜からウイルスを擦り取って調べます。風邪やインフルエンザ、そして新型コロナも、これらのウイルスが一番つくところです。風邪のひき始めに鼻の奥や上あごの裏側が、イガイガすることがありますが、これがウイルスの増殖による上咽頭の炎症の症状です。PCR検査は当院ではできませんが、インフルエンザとコロナのウイルス抗原を同時に検査するキットがあるので、発熱患者さんに検査することは考えています。

クリニックでは一般外来と別に発熱外来も設けていますね。

入口と診察室は発熱患者専用に分けている

 発熱のある方専用の出入り口を設けたのは、他の患者さんに安心していただくためと検査を出す必要がある場合を考えたためです。どれくらいの運用頻度になるかは、まだ分かりませんが、新型コロナだけでなく、インフルエンザなど様々な感染性の発熱疾患も診察していく。そのために熱のない患者さんとは別の待合室と診察室で分けさせていただきました。
 まだ本格的には運営していませんが、患者さんから熱があるという連絡をもらったら、予防対策をして、専用の入口から入っていただく。医師、スタッフが防護服、ガウン、ゴーグルなどをつけて、検査を行い、車の中で待っていただくことが出来るような体制を取っています。

先生は日本がん治療認定医機構がん治療認定医の資格もお持ちですね。

 当院の受診だけでは、がんの診断、治療は完結しません。心配に思われているところを初期診療として診せてもらい、見える範囲であやしいところはありません、あるいは疑わしい所見がありますというところまではお伝えできると思います。声がかすれておかしいという時は鼻から細い内視鏡で観察し、喉頭がんや咽頭がんの可能性がないか確かめます。一度の診察ですべて分かるということではありませんが、これは疑わしいから、次の病院に紹介しましょうと判断をお示しできます。
 通常の健康診断で聞こえの検査はありますが、耳鼻科のがん検診という項目はありません。胃がんや肺がん、乳がん、子宮がんなどのがん検診は一般的ですが、頭頸部がんがご心配な時には、ぜひ耳鼻咽喉科を受診していただきたいですね。

(取材日:2021年10月20日)


やまざき耳鼻咽喉科
函館市美原1丁目17番20号
TEL0138-83-8718
■休診日 : 日曜・祝日
■駐車場 : 20台(クリニック前)
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