特集25 ISO14001を取り入れ地域医療に貢献するみはら歯科矯正クリニック

toku_081031_miharashika_docみはら歯科矯正クリニック 村井 茂 院長
みはら歯科矯正クリニック 村井 かおる 医師
函館市美原3丁目1番3号 TEL 0138-47-3163 フリーダイヤル 0120-118276
http://www.kireinaha.info/

 

toku_081031_miharashika_01みはら歯科矯正クリニックは、市立函館病院歯科科長だった村井茂院長が昭和61年に開業した歯科医院。
地域に親しまれる歯医者さんとして知られており、小さなお子さまを持つお母さんたちからの「先生が優しくて親切」との評判もしばしば耳にする。
そんな「地元の歯医者さん」だが、実はISO14001という環境に関する国際規格を取得しているという。そこで、村井院長の経歴とともにクリニックとしての環境への取り組みについて聞いた。


「メディカルページ函館平成20年度版」(平成20年10月31日発行)の冊子に掲載された記事です。※院名や役職、また内容についても取材時のまま表記しています。

 

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■村井 茂 院長

村井先生の開業するまでのご経歴を教えていただけますか?

岩手医科大学歯学部を卒業した後、札幌医科大学口腔外科に入局しまして、口唇口蓋裂の手術を多く手がけていました。その間もいずれ函館に戻って開業しようとは思っていたのですが、手術に携わるうちに気付いたことがあるんですね。

それはどんなことですか?

口唇口蓋裂の手術を受けるのはほとんど子どもなのですが、手術をしてせっかく良くなったと思ったら今度は歯並びが悪くなったというケースが少なくありませんでした。ところが当時は歯並びの治療には保険が効かず、大体40万円くらいの費用がかかっていたんですね。
そこで、函館に帰って開業するにしても矯正治療の技術を身に付けなければならないと思い、北海道医療大学の矯正歯科に移って勉強をしました。この間に矯正歯科の認定制度が創設され、日本矯正歯科学会認定医として認定を受けることができました。その後函館に戻り、市立函館病院歯科口腔外科の科長として勤務することになりました。函館に戻ってきた当時は口腔外科を扱う病院はほかになく函館で初めて口腔外科入院患者施設を設け、口腔腫瘍、顔面骨折などの口腔外科疾患患者さんをたくさん診させていただくことができました。

その後現在のクリニックを開業されたんですね?

toku_081031_miharashika_03はい。開業後もこれまでの経験を生かして口唇口蓋裂の治療に取り組んでおり、北海道矯正歯科学会や日本矯正歯科学会、さらに口蓋裂学会などに研究成果を発表して新しい技術を取り入れるようにしています。「函館だから何もできない」と言われないように、地方であっても患者さんが高レベルな医療を受けられるようにと努力しているつもりです。
また、日本成人矯正歯科学会の発起人の一人として、台湾矯正歯科学会と深く交流を持ち、日本成人矯正歯科学会認定、矯正歯科専門医にさせていただきました。
ちなみに妻は、北海道医療大学小児歯科出身の先生より、教えを受け、日本成人矯正歯科学会認定医を目指して勉強中です。

さて、みはら歯科矯正クリニックではISO14001を取得しているそうですね。これは「環境マネジメントシステムに関する国際規格」だそうですが、具体的にはどんなものですか?

この「ISO14001」は、基本的には企業などが環境を大切にしているかどうかを計る規準のことです。一度取得して終わりではなく、向上しているかどうかや目標が達成されているかなどについて毎年審査されます。環境への取り組みですから、廃棄物の削減はもちろんのこと、施設の周囲の清掃活動や緑化活動への寄付なども審査項目に含まれています。

toku_081031_miharashika_04施設内だけの活動に留まらないんですね。
職員さんは「余計な仕事が増えた」と思っていませんか(笑)

確かに、施設として認定を受けるためには職員全員のレベルを上げなければ取得できないんですね。いろいろな意味でスタッフの技量の向上が不可欠です。現在当院では職員全員がISO14001にかかわる書類を書いたり薬品の環境に与える影響を調べたりすることができるようになり、週1回ミーティングを開いてデータを確認しあっています。
一見すると職員の負担になっているように見えますが、不思議なことにこれを始めてからは職員の定着も良く、スタッフに恵まれ助かっています。

毎年審査を受けられるとのことですが、今年はどんなことに取り組んでおられるんですか?

現在は、治療効果を上げる手順を作ろうとスタッフが話し合っているところです。つまり、予定していた時間内できちんと治療を終えるにはどうしたら良いかということですね。スタッフ全員のレベルを上げて、時々現れる良い結果を均一化するための方法を検討しています。これは、治療の結果をどう正しく評価してデータにするかということも関係していますね。

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他にもこれまで取り組んできたことはありますか?

toku_081031_miharashika_06予約のシステム化に取り組んでみました。歯医者の予約は従来、空いている時間に順に患者さんを当てはめていくというものが多かったと思います。ですが実際には診察台によって向いている治療内容やできない治療があり、時間通りに治療が進まないことも少なくありませんでした。
そこで、予約を治療台に合わせて最適化することとし、「この時間帯にはこの治療の患者さんを入れる」といったことを表にしてシステム化することにしました。これによって予約通りに治療が進まないということが減り、患者さんを長時間お待たせすることもなくなりましたので、良い取り組みだったと思います。
これからもスタッフの技量の向上と地域への貢献に努力していきたいと思っています。

「ISO14001」への取り組みは、とても参考になりました。
ところで、施設の名前にある「矯正歯科」とは普通の歯科とどう違うんですか?

そうですね。歯を犠牲にしないで、良い噛み合わせと美しい顔貌が得られるのが矯正歯科、といったところでしょうか。
普通ですと曲がった歯は削ってかぶせれば良いという考えですが、矯正歯科では美しい顔貌をつくるという観点から治療を行います。

矯正歯科にはあまりなじみがないのですが、有名な方で矯正歯科の治療を受けているという人はいますか?

芸能人などの場合はこっそり治療を受けているみたいなのであまりわからないのですが、スポーツ界には結構おられるようですね。テニスのシャラポワやマラソンの土佐礼子は矯正歯科の治療を受けていたことで知られています。また、昔の人ですがカール・ルイスもそうだったと聞いたことがあります。スポーツ選手はグッと奥歯に力を入れたりしますので、より歯並びに気を遣うのかもしれないですね。

「ISO14001」について

ISOは工業製品に関わる技術的な規格を中心に、1万件以上の国際規格を作成しています。ISO9000シリーズと呼ばれる品質規格が主流を占めていた同じころ、国際的に環境の分野で多くの出来事がありました。オゾン層の破壊、地球の温暖化、森林破壊など、環境問題は世界中で新聞の一面記事のニュースとなり、地球規模での問題として見られていました。各国代表からも、国際的な場面で環境保護の改善が要望されました。このときに明らかになったのは、普遍的な指標がないため、組織が確実で一貫した環境保護を達成するための善意の努力をしても評価できない、ということで、ISOは環境分野の規格の制定に乗りだしたのです。それがISO14001[環境マネジメントシステム(Environmental Management System)]です。

環境マネジメントシステムとは、組織がその活動および提供する製品やサービスが環境に与える負荷(影響)を常に低減するように配慮し、継続的にその改善を続けられるようにするための組織的なしくみのことです。世界のどこの企業でも、またどんな業種、規模の企業・組織でも環境面での自主的な改善活動が進められる仕組みの重要性が認識され、国際規格化されることになったのです。

 

最後に村井院長は「地域にある程度の高度な医療を提供できる歯科医院でありたい」と施設としての目標を語ってくれた。
工場などが取得するものというイメージのある「ISO14001」。函館でこのように歯科の開業医が取得しているのは大変珍しいケースに違いない。「環境への配慮」をうたう企業は多いが、少ないスタッフの中で実際に知恵を絞り汗をかいて環境のための取り組みを続けるみはら歯科矯正クリニックはその中でもユニークな存在と言えよう。毎年の審査において基準に達していなければ認定剥奪もあり得るという厳しい国際規格達成のために、今日も院長以下スタッフは各種データ記録などに取り組んでいる。

みはら歯科矯正クリニック
函館市美原3丁目1番3号 TEL 0138-47-3163
フリーダイヤル 0120-118276
■休診日 木曜・日曜・祝日 ■駐車場 7台(当院前)
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