新規開院レポート「港町こどもクリニック」

 藤田 祥二院長
函館市港町1丁目11番18号 函館港町ビル TEL.0138-85-8889

小児科とアレルギー科を診療科目に10月1日開院した港町こどもクリニック。院長の藤田祥二先生にアレルギーも診察する意味とクリニックの特徴を聞いた。


「メディカルページ函館・道南版2019年冬号」(令和元年11月12日発行)の冊子に掲載された記事です。

■ 藤田 祥二 院長

 

小児科とアレルギー科の2科を診療されるのは、どういう理由からですか?

 小児科では子どもたちの発熱や発疹、眼脂、鼻汁、咳、下痢などいろいろな症状を診ます。子供の全身を診察します。感染症はじめ呼吸器疾患、消化器疾患、免疫アレルギー疾患に加えて、正常な成長や発育についても診察します。アレルギー体質の子どもの場合、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、気管支喘息なども合併していることも多く、それらのアレルギー症状に困っている子どもたちが増えてきていることもあり、より症状をコントロールして健全に発育、成長していけるように診察治療をしていきたいと思っています。

アレルギー的な病状が増えているのですね。

 ウイルスや細菌に対して働いてくれるのが通常の免疫応答ですが、自分の体に不利益な反応をしてしまう過剰な免疫反応がアレルギーといえます。例年、春や秋など季節の変わり目などは花粉が飛散したり1日の寒暖の差が大きくなることが粘膜に対して刺激となって、アレルギー的なくしゃみ、鼻水、咳などの症状が出てくることの多い季節です。症状は風邪のようでも、熱はなく長引くとか、お布団に入って身体が温まってくると咳が出る、明け方になると咳が出るというのは、アレルギー的な症状が出ていることがあります。ご両親にアレルギー体質がなくてもその子どもの3割ぐらいで何らかのアレルギーの症状が認められるようになってきました。

アレルギーは遺伝的な要因もあるのですね。

■ 診察室(上)と処置室

 診察にいらした時に親御さんにアレルギーをお持ちかどうかお聞きしています。そうすると子どもの症状が似ている、自分も小さい時にこういう症状があったという方もいらっしゃいます。でも親御さんの中には症状がそれほど重くなく、病院にかからなかったという方もたくさんいます。気管支喘息はかなり苦しくなるので病院にかかって小児喘息と言われたという方もいます。アレルギー的な病気は一生付き合わなければいけない方もいますが、小児の場合は成長に伴ってだんだん症状が軽くなる方もいます。食べ物のアレルギーも小さいときには消化機能が未発達ということもあって食べるといろんな症状が出たというお子さんでも、3歳4歳になって胃腸がしっかりしてくると、前は食べると皮膚が赤くなって食べられなかったものが食べられるようになるというのは結構あることです。
 今は治療法も変わってきて、以前はアレルギー反応を起こすような食物は完全除去が一般的でしたが、そうすると間違えて摂取した時に凄くつよい症状が出てしまうことがありました。そういうリスクを減らすためにも、軽微な症状がでるくらいは許容して、ちょっとでもいいから毎日食べさせて慣れさせていくという方針に変わってきています。

小児科では自分で症状を説明できない小さなお子さんも診られますね。

 親御さんからの赤ちゃんの症状やどういうところが調子悪いのかというのをよく聞いて、それを元にいろいろな疾患を念頭に置いて診察していきます。やはり親御さんが傍らにいてお子さんのことを一番診ていますから、親御さんの説明が一番参考になります。理由はわからないけど、子どもが泣いているというような時でも、たとえば、うんちがあまりで出ないので、踏ん張って顔を赤くして泣いていることもあるのですが、これはお腹の診察でわかります。おしめを取り替える時に限って泣きだすというような時には、お尻が荒れている場合もありますが、足の股関節のところに何か病気が隠れているのではないかと注意して診なくてはなりません。

先生はどうして小児科医を選ばれたのですか?

 子どもの頃、よくお腹をこわしたり、熱をだしたりしていたのですが、近所の小児科の開業医の先生に診てもらって回復していました。その時に小児科はいいなと思いました。小学校の卒業文集に将来の夢は医者と書きましたから、そこからのスタートですね。医学部に入ったときから、将来は小児科医になるつもりでした。ただ、最初に入ったのは麻酔科です。研修医制度が僕の頃にはなくて他科について研修する機会が皆無でした。当時は救急的なことをできる医師が限られていて、心肺蘇生や気管内挿管というような救急的な手技、全身管理を習得することができるのが麻酔科でした。なので小児科医になる前に麻酔科で救急医療を学んでから小児科医になりました。
 僕の出身は室蘭ですが祖父母の出身でもある函館はもともと住みたい町でした。室蘭の日鋼記念病院に勤務していた時に関連病院のローテーショがあって、くじで1番となり第一希望が叶って函館五稜郭病院に勤務することができました。

クリニックの特徴を教えてください。

 小児科に精通した5名のスタッフがいる明るく優しいクリニックです。症状が軽いのに病院に行くのはどうだろうという親御さんも診療にいらしてください。赤ちゃんの皮膚の扱い方とか、ちょっとした分からないことなどについて教えてあげられて、育児相談にもお答えできる、みんなが安心して生活していけるような、そんなクリニックにしたいと思っています。

■ 院内での感染予防のため診察室は3室あり、待合室も独立したスペースで、それぞれにトイレと授乳室(右)を配置している。

(取材日:2019年10月19日)


港町こどもクリニック
函館市港町1丁目11番18号 函館港町ビル2F TEL.0138-85-8889
■休診日:日曜・祝日
■駐車場:13台
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