㈱アキヤマが提案する高付加価値メニューを紹介 第47回業務用食材・機器フェア2016

人手不足の解消も図れる介護食などのセミナーも

株式会社アキヤマ 業務用食材・資材・機器専門商社
北斗市東前3-41 TEL 0138-77-7491
http://www.akiyama-fs.co.jp/ (オンラインショッピング)

 

業務用食材の専門商社㈱アキヤマが「業務用食材・機器フェア」を開催した。今回で47回目となる恒例のイベントで、平成28年10月3、4日の両日、函館流通ホールの会場には、外食産業や病院・学校給食の関係者ら多数が詰めかけた。


「メディカルページ函館平成28年度改訂版」(平成28年12月1日発行)の冊子に掲載された記事です。

■小林久周社長

「小家族の外国人観光客が増えて、ホテルなどでは食事を個食で提供するケースも増えています。バイキング形式と異なり個食は手間暇がかかり人手が足りない。今回のフェアでは、個食に対応した食材のご要望にお応えした商品を、今までになかったほど数多く展示しています」
㈱アキヤマの小林久周社長は、今回のフェアの展示品の特徴について、こう語った後、「北海道新幹線の開業以後、全国チェーンの進出が加速し、私どものお得意先である地元の企業の方との競合も激化しています。人手不足への対応とともに、ライバルとどう差別化するか、地元のお得意先に全国チェーンに打ち勝つ商品構成や販促していただくのがフェアのテーマ」と、今回のフェアのテーマ『差別化戦略に対応する高付加価値メニューの提案』について説明する。
また、同社の小林周平常務は、「47回も続いているフェアですが、まず、この会場に足を運んでいただいたお客様への感謝が一番です。お客様の持ついろいろな課題をアキヤマにご相談していただき、それを解決することが私どもの使命だと思っています」と話す。
会場では、全国病院用食材卸売業協同組合のPB食品や宅配乳製品、世界各国のワインとチーズなどをコーナーごとに展示。また、アキヤマによる冷凍畜肉・水耕栽培のベビーリーフの紹介コーナーも注目を集めていた。
「病院や高齢者施設では、給食調理が人手不足で悩んでいます」と話す同社の根本琢巳営業部長は、今回のセミナーは人手不足の解消策もテーマと、「調理現場に人がいない、質も下がってしまうという時に、パートの方でも簡単に患者さんや入所者さんが要望する見た目からきれいなゼリー食の紹介です」との狙いを語った。

ミキサーとゲル化剤の要らない嚥下食のセミナーも

■小林周平常務(左)と根本琢巳営業部長

■給食事業者に向けての介護食セミナー(上)と講師(左から内藤吉隆さん、舟山美佳さん、河野健太郎さん)

同フェアでは2年前から、取引先の各業種に向けたセミナー・ワークショップを開いているが、今回は特に人手不足解消をテーマとするものが、2日間に計6回行われた。
この内、病院給食業に向けては、㈱マルハチ村松の内藤吉隆さんが、『”ゼリー食”quick介護食材使用による時間短縮 省力化対応のメニュー提案』をテーマにセミナーを開催。同社は、かつお節製造を創業の原点にだしや介護食の開発に取り組み、現在、メディカル給食に最適な介護食を開発、製造販売している。今回のセミナーでは、ミキサーとゲル化剤の要らない介護食『quick介護食素材シリーズ』を紹介した。
嚥下機能の低下した高齢者や嚥下障害のある人に提供する飲み込みやすい嚥下食には、きざみ食やミキサー食があるが、きざみ食はきざみをすればするほど咀嚼の回数が増えて飲み込みにくくなることと、またミキサー食は栄養価が低下しやすいほか、加熱後のミキシングに衛生管理が求められるなどの課題もある。さらに嚥下食はベテランの調理者が担当、パート職員では手が回らないというのが実情。
嚥下しやすい物性条件をもっとも満たしているのがゼラチンゼリー、いわゆるゼリー食といわれているが、『quick介護食素材シリーズ』は、ミキサーがけやゲル化剤を混ぜるという作業工程を省き、パート職員でも簡単に調理できるほか、常食と同時調理出来るので作業の平準化により労働力不足の解消が図れる。加えて、見た目がきれいで豊富なメニューバリエーションが可能になるので患者、利用者のQOL要求にも対応。加水による物性調理というメリットが説明された。
セミナー・ワークショップは、このほかに製菓・製パン業者に向けて、ケンコーマヨネーズ㈱の舟山美佳さんが『魅せる技あり!高付加価値のサンドウィッチメニュー提案』と題して同社が商標登録するアートウィッチを説明、実際に調理して切り口をアートに見せるポイントを解説した。
また、昭和産業㈱の河野健太郎さんが、『人手不足への対応!天ぷらの上手な上げ方と適切な天ぷら粉の選定』をテーマに外食産業関係者にセミナーを開催。ベテラン職人が不足する中でも、調整された粉である天ぷら粉を使い、誰でも上手に天ぷらが揚げられると、実演を交えて説明した。 

■賑わったフェア会場と展示された商品


(取材日:平成28年10月3日)