福祉車両の普及に「ウェルキャブステーション」を展開する函館トヨペット株式会社

函館トヨペット株式会社
函館市石川町169番地35 TEL 0138-46-2111

2007年6月に産業道路沿いから石川町に移転した函館トヨペットでは、店舗内に福祉車両を展示する「ウェルキャブステーション」を設け、道南地域での福祉車両の普及に努めているという。
「ウェルキャブ」とは、福祉(ウェルフェア)と客室(キャビン)を合わせたトヨタの造語で、同社では福祉車両をウェルキャブ車と呼んでいる。そこで函館トヨペットには、会社としての取り組みや反響、そしてお勧め車種などを聞いてみた。


※「メディカルページ函館平成20年度版」(平成20 年6 月20 日発行)の冊子に掲載された記事です。内容は掲載時のまま表記しています。

 

函館トヨペットでウェルキャブステーションを設けたのはいつからですか?

■営業本部 営業推進室 課長 中村純雄 氏

「昨年店舗を移転した際に立ち上げました。トヨタではウェルキャブステーションを設置するに当たって条件があり、店内がバリアフリーであることや障害者用の駐車場やトイレを設置していることに加え、ウェルキャブ車を3台以上常設できることなどが求められています。石川店では現在4台の車種を展示しています。」 (営業 長谷英美さん)

どんな車種をそろえていますか?

中村課長「コンパクトからミディアムクラスのセダン系やステーションワゴン、ミニバン、及び1BOXのバン系といった幅広いバリエーションでそろえています。トヨタでも以前は単に移動できれば良いという程度の品揃えでしたが、今は障害を持つ方も快適に移動を楽しめるよう、そして介助する方もなるべく力を使わずに楽に乗り降りさせられるように配慮されてきています」。

■石川店営業 長谷英美さん (サービス介助士2級)

長谷さん「障害の程度や介助の必要度合いに応じて様々な仕様・装備があります。ちょっとした乗り降りが不便な方のための、助手席が回転し、車外に移動するタイプ。助手席のシートや後部座席が電動で回転したり、車外に大きく移動して上下することで、乗降しやすくなっているタイプ。車いすごと車内に乗り込めるようになっているタイプ。助手席がそのまま電動車いすになっているタイプなど。
また、障害を持っている方がご自身で運転されるための車もあり、片手が不自由であったり足が不自由であったりしても運転が可能な装置を装着できる仕様になっています。現在、石川店では、プレミオ(助手席回転シート車)、ポルテ(サイドリフトアップ車)、ラクティス(車いす仕様車)、ハイエース(車いす仕様車)を展示しており、時期を見て入れ替えています」。

どんなお客さんが多いですか?

長谷さん「多くご来店いただくには運転者ではない車いすに乗った方ですね。小中学生から高齢者の方まで幅広くご来店いただいています。ほかには、入院していたご家族の退院を控えて、今後必要になるからと見に来られる方もおられます。市内からだけでなく、広く郊外からも見に来ていただいています」。

実際のお客さんの反響はいかがですか?

長谷さん「なかなか実際にこうした車を見る機会がないので、動かしてみたいという方もおられます。普通の車を見に来られた方が福祉車両の展示に気付いて『うちにもおじいちゃんがいるから将来必要になるかも』と興味を持たれることもありますね。リフト機能は何キロまで上げられるのかなど、質問はよくいただきます」。

中村課長「日常使用している車いすを持ってきて、乗り降りできるか試したいという方もおられますが、大歓迎です。実際にやってみることでウェルキャブ車の扱いやすさや便利さがお分かりいただけます。場合によっては現在ご使用の車いすが車に合わなかったりもしますので、ぜひ実際に試してみてください」。

「短時間の移動なら車いすのまま乗り込んだほうが早いかもしれませんが、長時間の移動なら車いすの方も他の同乗者の方と同じ車のシートに乗って、同じ乗り心地で快適に移動してもらいたいと思います。それが優しさじゃないでしょうか」。
中村課長は、福祉車両についてどんどん相談して欲しいとも話す。
「常々心がけているのは、障害の程度や日常の車の使い方をお客さまに十分お聞きしたうえで適切なご提案をさせていただくことです。
お身体が不自由だからと車での移動をあきらめている方も多いようですが、実際には多数の対応車種があります。ぜひお気軽にお立ち寄りいただき、実際にご覧になってみてください」。

ここで、現在実際に展示している車の中から今回のお勧め車種を案内してもらった。今回のお勧めは、ポルテ(1500cc)の助手席リフトアップシート車。リモコンのスイッチひとつで助手席が回転・移動し、車の外側に下りてくる装置が付いている。下りてきた助手席は車いすとほぼ同じ高さであるため、車いすから助手席に移るのも簡単。再びスイッチ操作を行うとこの助手席が車内の所定の位置に収まり(※下写真参照)、通常の車と変わらない乗り心地で使用できる。なお、後部トランクには30kgまでの車いすを引き上げ可能な電動リフト装置が搭載されており、容易に格納することが可能。この車を利用すると、車いすの人も介助者も共にほとんど力を使わずに車に乗り込んで移動することができるという優れものだ。

なおウェルキャブ車購入に当たっては、一定の条件下で自動車税・取得税・消費税などが非課税や免税になる税制上の優遇措置が受けられる場合がある。函館トヨペットでは、個々のケースに対して優遇措置が受けられるのかどうか調べ、個別に回答してくれるとのことだ。

函館トヨペットの福祉車両・ウェルキャブ車への取り組みについては、次号以降でもお伝えする予定だ。