函館鍼灸マッサージ師連携会設立総会

国家資格者同士のつながり強固に地域包括ケアシステムにも積極参加/函館鍼灸マッサージ師連携会発足(各団体の垣根を越えた全国初の組織)

国家資格者である鍼・灸・マッサージ師による北海道初の連携組織「函館鍼灸マッサージ師連携会」が4月3日の第1回総会で発足した。鍼灸マッサージの国家資格者の資質向上と併せて、国が進める地域包括ケアシステムにも医療・介護の多職種と連携して参加することを目指している。総会では会長に益井基氏(北海道鍼灸マッサージ柔整復協同組合道南支部長)を選出。副会長以下の担当幹事の互選と会則が承認された。午後からは会員の他、医療・介護・福祉業界の関係者ら約130名が参加して、発足記念一般講習会も開かれた。


平成28年4月3日に開催されたものです。

 

函館中央図書館大研修室を会場にしての第1回総会では、出席者は44人だが、すでに62人の入会希望者がいることも報告された。函館・道南地区には、鍼灸マッサージ師の業界団体が3団体あり、いずれの団体にも属していない国家資格者も多い。また、各団体が、全道あるいは全国規模の上部組織も異なっていたことから、横のつながりがほとんどなかった。
発起人として連携会発足の趣旨説明に立った益井氏は、「医療業界全体が大きな転換期を迎えている中、国が推し進めている地域包括ケアシステムという新しい医療・介護の体制づくりに乗るしかないと確信した」と前置き。
さらに、「今、無資格者と国家資格者である鍼灸マッサージ師の線引きがほとんどなくなり、歯止めが無い状況になっている。差別化を図るには、われわれは国家資格を所持し、医療の一部を限定的に認められた医療従事者として力を発揮していくことが一番大事なのではないか。そのためには今、蚊帳の外にされている医療・介護の連携の中に鍼灸マッサージ師も入って、お互い顔の見える関係を構築することで今後、鍼灸マッサージという職域をきちんと固めていく必要がある」と話した。


(左から)中川副会長・益井会長・臼井副会長

また、益井氏は、地域包括ケアシステムという医療・介護の連携の中に入っていくために医師会や行政に話を聞きに行った際、鍼灸マッサージ師業界は複数の団体が存在し、かつ横のつながりもないことから、どこを窓口に連絡していいのか分からないと指摘されたことを語り、「何かするときに、どこにどう連絡するのか、その窓口が必要だといわれた。それがこの連携会をつくろうと思った第一歩」と設立に至った経緯を説明した。
この後、益井氏、中川晋氏(函館鍼灸師会会長)、臼井登氏(函館鍼灸マッサージ師会副会長)ら同業者の仲間により、多職種、行政とも話をしながら、連携会設立に向けて活動を続け、この日の設立総会に至った。総会では益井氏を会長に、中川、臼井両氏を副会長とするほか、担当幹事が互選され、議事案件がすべて承認された。


(左から)福徳先生 熊川先生 羽賀先生

函館鍼灸マッサージ師連携会では、研修会などの事業を計画しているが、設立総会後、午後からは会場を函館中央図書館視聴覚ホールに移し、発足記念一般公開講習会が開かれた。益井会長のあいさつに続いて、医療法人敬仁会函館おしま病院福徳雅章院長が、医療の基本理念であるこころを「医療の原点ホスピスのこころ」の演題で基調講演。続いて一般社団法人函館薬剤師会々長であおい薬局代表取締役の熊川雅樹氏が、「お薬との上手なお付き合いの仕方」をテーマに特別講演。また、北海道教育大学保健管理センター長でBLSインストラクター、日本スポーツ振興会認定スポーツドクターの羽賀將衛氏が、「救命処置(BLS)とフィジカルアセスメント~足は口ほどにものを言う」と題して講演。さらに会場を訪れた参加者をモデルに、AEDの使い方など救命処置の仕方についての講習会も行われた。 講習会には、連携会会員のほか、医療・福祉・介護の事業関係者らも出席し、ホールの席をほぼ埋め尽くした。

盛況の発足記念一般公開講習会ではAEDの使い方など救命処置の仕方についての講習会も(右端) 


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