薬を散布しないシロアリ防除『セントリコン』

西武消毒株式会社  函館市千代台町28番3号 TEL0138-54-1880 URL: sbsd.jp

 害虫・害獣など有害生物の防除とビルメンテナンス事業に48年の歴史を持つ西武消毒㈱(代表取締役 坊 孝太郎氏)、同社が道南唯一の資格認定施工店として20年ほど前から展開しているシロアリ防除サービスが『セントリコン』だ。

駆除が難しく被害も大きいシロアリ

   シロアリの多くは地中から建物に侵入してくる。土台や床束など建物の下部から食害されるので、地震や台風の際に大きな被害を起こしかねない。コンクリート建造物でもシロアリは侵入することがあり、その場合、温暖多湿なモルタルやコンクリート壁内部は食害されやすい。
 重要ポイントは早期発見と防除対策。北海道では新しく巣を作るためにゴールデンウィーク前後から6月下旬頃にかけてシロアリの羽アリが出現する(羽アリは全てが新しい巣の王様あるいは女王候補で、巣全体の3~5%位が色が黒くなって羽が生えて出てくる)。羽アリの出現は、建物や周辺にシロアリの巣がある証拠だが、羽アリ出現以外の時期もシロアリの食害は進んでいるので注意が必要。
 シロアリ駆除の難しさについて、「ひとつ目がサッカー場ぐらいの広さに及ぶというシロアリの行動範囲の広さ。床下土壌から建物を全体的に薬剤処理する必要があります。二つ目は生存能力の高さ。ピラミッド型の社会生活を営んでおり、王様アリは50年以上、女王アリは25年以上と長寿命で、有事の際、働きアリだけでも一定数が生き残ってしまうと生殖クラスに変身、巣を再生あるいは別途構築出来る能力があります」(西武消毒㈱ 坊 健太郎常務)
 したがって薬剤を散布するという旧来の方法では、完全駆除は難しかった。

ヒトにペットに環境に優しい防除サービス

 そこで20年ほど前から西武消毒㈱が展開しているのが、米国で開発された薬をまかないシロアリ防除法『セントリコン』だ。
 シロアリが好む疑似餌をステーションと呼ばれる容器に収納し地中に仕掛ける。この疑似餌が薬剤(ベイト剤)で、巣に持ち帰り餌を仲間に分け与えるというシロアリの習性から数カ月で巣全体に薬剤が行き渡り巣を根絶させるというシステムだ。
 このベイト剤は従来の神経毒を主とする薬剤とは異なり、脱皮する生物だけに効果を発する成長抑制剤だ。シロアリは1カ月~1カ月半で脱皮を繰り返すが、この薬剤の脱皮を妨げる効果によりシロアリを死滅させる。そのため人やペットなどの哺乳類や地中環境に影響を及ぼすこともほとんどない。『無臭で近隣への影響もない。環境配慮型の防除システム』という。「安全性と確実性の高いセントリコンの普及で安心な暮らしを提供したい」と坊常務は話す。
 戸建住宅が主体だが、アメリカでは自由の女神やホワイトハウス、日本では比叡山延暦寺や浅草寺など『セントリコン』は、世界で300万棟、日本でも6万棟以上の実績がある。


(取材日:2022年6月15日)